韓国の説明が二転三転した最近の出来事といえば、「レーダー照射問題」だ。2018年12月20日、海上自衛隊のP-1哨戒機が能登半島沖の日本海を飛行中に、韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射された。レーダー照射は極めて危険な軍事行為で、国際法上は反撃も許容される。
「韓国は当初『通常の作戦活動としてレーダーを運用した』と説明しましたが、その後『レーダーは発していない』『日本の哨戒機が低空飛行で威嚇した』などと説明がコロコロ変わった。海上自衛隊の記録からレーダー照射は明らかでしたが、ウヤムヤのままです」(元朝日新聞ソウル特派員の前川惠司氏)
2018年5月には、東シナ海海上東方沖の洋上で韓国船籍らしきタンカーが、北朝鮮船籍のタンカーに接舷する姿を海上自衛隊の艦艇が確認した。洋上で石油などを移し替える「瀬取り」という違法行為に韓国船が関与した疑惑が浮上した。日本政府が韓国政府に事実関係の調査を求めたところ、「違法取引の事実は確認できない」との返答だった。
「休戦中とはいえ、洋上で北朝鮮と韓国の船が接舷するのは明らかに異常な行動です。違法行為でなかったと言うのであれば、一体何をしていたのか。その説明もない」(前川氏)
外交だけでなく、国内経済でも現実と乖離した主張が多い。
「我が国の経済成長は拡大を続けて、成功に向かっている」──5月16日に開催された「2019国家財政戦略会議」で文在寅大統領は高らかに宣言した。この場で文大統領は「新規ベンチャー投資や新設法人数の増加」「低賃金労働者の減少」を挙げ、堅調な経済成長をアピールした。
だが、今年1~3月の韓国の経済成長率は、前年比でマイナス0.3%を記録している。
※週刊ポスト2019年8月9日号