スポーツ

外国出身選手が数多いラグビー日本代表 それこそが魅力

予選突破の期待がかかる日本代表(共同通信社)

 いよいよ開幕したラグビーW杯。日本開催とあって盛り上がりを見せるが、こんな疑問を持つ人も少なくないだろう。日本代表なのに、なんでたくさんの外国人選手がいるのか──。新刊『国境を越えたスクラム ラグビー日本代表になった外国人選手たち』でそのルーツを追ったノンフィクションライターの山川徹氏は、“それこそが日本代表の魅力”だと説く。

 * * *
 ラグビー日本代表は、日本人と海外出身の選手が互いに尊重し合って、勝利を目指してきた歴史を持つ。

 1987年に開催された第1回W杯では、トンガ人のノフォムリ・タウモエフォラウとシナリ・ラトゥ(現ラトゥ志南利)が日本代表としてプレーした。

 戦後、日本代表となった海外出身選手の第1号がノフォムリである。1980年にソロバンを学ぶために来日し、大東文化大学でプレーした彼は日本代表のユニフォームである“桜のジャージ”に袖を通したとき「大きな責任を感じた」と語る。

「トンガ人がトンガ代表になるのは普通ですが、トンガ人が日本代表になるのは特別なこと。選んでくれた人のためにも、日本代表を目指す日本人選手のためにも、いい加減なプレーは絶対にできないと思った」

 ノフォムリやラトゥはその言葉に違わぬ気持ちのこもった激しいプレーをくり返し、日本代表の危機を幾度も救い、勝利に貢献した。ファンはそんな海外出身選手の思いに共感し、親しみを覚えたのである。

 また現役引退後、日本企業でサラリーマンとして働く2人の姿が、ただの“助っ人ガイジン”ではなく、同じ社会に生きる仲間だという思いを抱かせた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン