国内

3.11直前と酷似する異常変動 専門家が4つの警戒ゾーン指摘

地震が頻発して不安を感じている人は多いはず(写真/EPA=時事)

 長野県と岐阜県の県境では5月22日までの1か月で計142回もの地震を記録。さらに関東地方でも5月4~11日の1週間で3回の緊急地震速報が鳴り響いた。あまりの頻繁さに、不安を感じている人も多いだろう。

 測量学の世界的権威で、本誌『週刊ポスト』の「MEGA地震予測」で数々の大地震を的中させてきた村井俊治・東大名誉教授は、「小さな揺れが頻発している地域だけでなく、意外な場所に危険な兆候が現われている」と指摘する。

 村井氏が注目するのは、地震が頻発した4月中旬以降とそれ以前の大きなギャップだ。

「4月上旬までの3週間は、全国的に異常変動がほとんど見られませんでした。これほど長期間にわたって『静穏』状態が続いたのは、2011年の東日本大震災以降初めてのことです。長い『静穏』期間の後に中小規模の地震が続くと、大きな地震の起きる可能性が高いことが研究からわかっています」(村井氏)

 村井氏の予測のベースとなっているのは、国土地理院が全国1300か所に設置した「電子基準点」のGPSデータだ。基準点の1週間ごとの上下動である「異常変動」、地表の長期的な「隆起・沈降」、地表が東西南北のどの方向に動いたかの「水平方向の動き」の3つの主な指標を総合的に分析し、地震発生との関連性を予測している。

「今回は私の予測手法をインプットした学習型AI(人工知能)を本格的に導入しています。膨大な基準点のデータをAIが分析・算出した危険度も予測に加味しています」(村井氏)

 その結果、最も警戒すべき4つのゾーンが判明した。

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