特集
2010.09.24 13:44 週刊ポスト
増加する依存症主婦には「大丈夫だよ」と優しく接しよう
タイガー・ウッズもかかったという「セックス依存症」。男性に多い病気のイメージがあるが、「実は女性にこそ増えている」と語るのは、精神科医の高木希奈医師だ。
「臨床の現場にいる実感からしても、最近は、草食系と呼ばれる性欲の弱い男性が増える一方で、女性のセックス依存症が増えてきていますね。
精神医学的には、ひとりのパートナーとのセックスでしたらいくら回数が多くてもセックス依存症とはいいません。不特定多数の男性とセックスせずにはいられない、あるいはパートナーがいるにもかかわらず、誰彼構わず関係をもってしまうようなケースがこれにあてはまります。
ある20代女性は、育った家庭環境が複雑で常に寂しい思いをしていました。それが10代後半から20代に入って手当たり次第に、見知らぬ男性と一夜限りの関係を持ってしまうようになった。喫茶店でちょっと目が合っただけでそうした関係になったり、セックス目的でナンパスポットに行ったりもしていました。彼女たちはたとえ目的がセックスであれ、自分を求めてくれる男性と会うことで、心の穴を埋めているのです。
また、ある30代女性は、仕事をやめて専業主婦になったとたんに、うつ傾向になり、セックス依存症になってしまいました。出会い系サイトを使って、夫のいない昼間に見知らぬ男性とセックスをする。セックスが好きとか楽しいというより、その瞬間瞬間が満たされるからで、終わるとまた虚しくなって繰り返してしまうのです。
ただ、『男性は体で、女性は脳でセックスをする』ともいわれるように、男性と女性とでは原因は根本的に違います。男性のセックスは性欲の処理を目的として行なわれることが多い。一方、女性の場合は何か心に傷を持っていて、その傷を癒すためにセックス依存症になってしまうケースが多いのです。
例えば幼い頃に虐待にあった、親の愛情を受けられずに育った、過去の恋愛がトラウマになったといったことから、満たされない思いを満たすためにセックスに走ってしまう。働く女性が増えてきて、主婦は自分だけが取り残されたような孤独感にさいなまれてしまう。また、一方ではお母さんが仕事に追われていて子育てがおろそかになり、家族の絆が薄れてしまう。セックス依存症が増える理由には、そうした社会的背景もあるのです。
しかし、自分がセックス依存症だという自覚はしづらく、わかっていても人にはいいづらいもの。ですから治療に来る人は少ないのが現状です。もしあなたのパートナーがセックス依存症になってしまったら、まず受診をすすめ、『何があっても大丈夫だよ』『そばにいるから安心して』といった言葉をかけ、やさしく包んであげてください」
※週刊ポスト2010年9月17日号
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