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2010.09.24 13:48  週刊ポスト

女性障害者宅を訪問し、ホレられた出張ホストの苦悩

 障害者の異性と肌を触れ合い体を交わしたいという欲求について、ノンフィクションライターの河合香織氏は長編ルポ『セックスボランティア』のなかで、こう記述している。

 当然のことながら女性にも男性同様に性欲はあるはずだ。自分ではどうにもならない場合は、どのように解消するのだろうか。今の段階でNPOが何もできていないのであれば、商業的な風俗か、あるいはボランティアが選択肢としてあるだろう。
 
 女性向けに性的サービスをする風俗店としては、出張ホストクラブがあげられる。男性ホストが女性の指定した場所に出張する。デートだけで終わることもあるが、通常の店舗型ホストクラブと違い、客は性的サービスを求める女性がほとんどだ。

「私は障害を持っていて、男性との経験もまったくないままここまで来てしまいました。ルックスにも自信がないのですが、そういう人でも受けてもらえますか」

 出張ホストをしている藤本純一さん(仮名)は、ホストのイメージからはかけ離れた40代の男性である。6年間に2度、障害を持った女性からの依頼を受けたことがあった。藤本さんは特に障害を持った人に割引などしていないし、積極的に受け入れると案内していたわけではないが、こう答えた。

「私のところは年齢や容姿の制限はしていませんので大丈夫ですよ」

 40代だというその女性は、足に障害を持っていた。それからは、月に1回ほどのペースでの利用が数か月続いた。

「明るくなったって友達にも言われました」

 彼女はよくそう言ったし、藤本さんの目から見ても表情がどんどん朗らかになっていくのがわかった。しかしそれはある時から、嫉妬という暗い顔を覗かせるようになった。

「デートするのも身体の交わりも初めてだったようです。こちらはその気にさせてしまうようなことはしていないつもりで、丁寧にお客様として接しているんだけれども、彼女はそうではなくなってしまったんです」

 彼女は藤本さんに恋愛感情を抱き、しかし、それが実らないという苦しい思いを抱えるようになった。そのうちに、インターネットのサイトに嫌がらせや批判を書き込み、営業妨害をするようになった。そこで客を寄せ付けないようにすれば、藤本さんを独占できると思ったのだ。

 藤本さんは知らないふりを続けていた。黙っている間に、何とか気づいてやめてくれればと思っていたからだ。彼女は藤本さんの前ではいつも通りの丁寧な女性だった。しかし、どんどんネット上の攻撃は歯止めがきかないほどにエスカレートしていった。証拠もあったので、とうとう藤本さんは彼女にその事実を突きつけざるを得なくなった。それから利用はなくなったという。

「障害を持っている上に初めてだったから、逃げ道がなかったのかもしれません」

 もしこれが介助と割り切る団体であれば、こんなトラブルは起きなかったと藤本さんは考えている。

※週刊ポスト2010年9月17日号

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