国内

引退した「かわいすぎる海女」 月給7万円だったと地元民

 NHKの番組で取り上げられるや、“かわいすぎる海女”としてネット上を中心に大人気となった岩手県久慈市の「小袖海女センター」で働く大向美咲さん(20)。同市内の小袖海岸で海女として活躍していたが、だが、7月28日で大向さん、そして別の新人海女のふたり(20才と19才)も同時に姿を消した。その裏には、カネの問題があったと地元関係者は語る。

 同市産業振興部商工課担当者に話を聞くと「新人のかたたちに“戻っていただきたい”と話し合いを進めているところです。微妙な時期ですので、コメントは控えさせていただきます」というのみ。また、小袖海女センターを運営する「小袖北限海女の会」を訪ねると、会長の村塚繁好氏が神妙な顔つきで答えた。

「あちらを立でればこちらが立たずっていう感じで。もちろん戻ってくれだらうれしいわけだけど…」

 さらに関係各所に話を聞こうとするも、みな一様に表情を曇らせ、固く口を閉ざすばかりで、まるで“かわいすぎる海女”に関して、市内中にかん口令が敷かれているかのよう。そんななか、ようやく一人の漁港関係者が、周囲の視線を気にしながら、声をひそめて話し始めた。

「あんだ、そんだらこと聞いだって、誰も話さないべ。ここはほとんどが漁業やってるし、親戚だったり、知らねぇ顔がいねぇ」

 彼女たちが辞めた理由について聞くと、その人物はさらに小さな声で囁いた。「やっぱり金のことだべ?」

 大向さんは地元の高校を卒業後、いったん就職するも、先輩海女に誘われ昨年8月にアルバイトとして同センターに所属した。“25年ぶりの新人”として海女デビューするや注目の的になり、久慈市は彼女を“観光大使”に任命もした。

 海女の会関係者が証言する。「東京がら大学生の男の子たちとかさ、カメラぶらさげた男の人とか、いつもの倍以上の観光客が来てたべ。それもあの娘たちがいなぐなってから、客も少なぐなってよ…」

 海女の主な仕事は、約30年ほど前から観光事業として始まったうに漁の実演。7月1日から9月30日まで、土日祝日、1日1回午前10時半から行われる。観光客は1人500円のチケットを購入し、岸辺から海女たちが潜るのを見学。30分ほどでカゴいっぱいのうにを採ってくると観光客の前で殻むきを披露。実演の見学と、採れたてのうにが1人2分の1-1個食べられる。土日祝日以外は完全予約制で、海女1人に対して1回5000円で見学と試食が可能だ。

「上がさ、どんだけもらってるかわがんねけど、海女の1日の報酬は6000円。それで1回潜るとお客さんからは5000円だげど、いろいろ(諸経費が)引かれて、海女さんたちの手には4500円だって。見る人もさ、潜る子にわけぇ子がはいってくれたらうれしいべ(笑い)。それがさあ…なかなか大変だよ。(大向さんは)1日10回潜ったこともあったみたいだけど、金は変わらねがった。人気だったからほとんど休みなぐ平日も働いで、1か月27日働いで7万円だってよ。それはやっぱり納得がいがないよなぁ」(前出・漁港関係者)

と、「電撃引退」の陰には、「安過ぎる報酬」があったのでは?と指摘する向きもあるのだ。

※女性セブン2010年9月16日号

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン