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2011.01.07 17:00 週刊ポスト
大正時代の早大、京大、同志社大の学生 96%は自慰をしていた
明治時代、性は罪悪視されていた。性欲ゆえの間違いを起こす、マスターベーションは悪い。そういわれていた時代だった。
その後、大正期に入り、ドイツ留学で医学博士の学位を得た羽太鋭治、東京府の氏族の出だった澤田順次郎が〈変態性欲〉について著す。〈変態性欲〉は〈性的倒錯〉の意味でつくられた新語だった。性欲をどうとらえ、いかに向き合うか。
このころから〈性教育〉が芽吹き始めた。ただ羽太、澤田とも、〈過淫〉や〈婚前性交〉は誤った性欲生活で、生殖に結びつかない自慰は害毒であり、精液を浪費してはならないと戒めて、これもいまなら笑われます。
この自慰害悪論に異議をとなえたのが山本宣治(ヤマセン)だった。早大、京大、同志社の学生に、性意識アンケートをして96%の者が自慰をおこなっているという数字を得た。
「思春期の青年に可成普通の事」と断じ、「常態の性である」とした。そこから、性行為はかならずしも、結婚や生殖に結びつくものではないという新しい視点を提案した。
だがこれは国家と真っ向から対立する。国家にとって、〈性〉はあくまで生殖のため、子孫を繁栄させるためでなければならない。
ヤマセンはクリスチャンだった。東大卒業後、京大大学院に籍を置きつつ、同志社大学で日本最初の性教育の授業をおこなった。やがて貧困にあえぐ女性たちにむけて「産児制限」をとなえ、労働農民運動の指導者になった。
ここでも国との衝突である。増産増兵のスローガンのもと、〈産めよ増やせよ〉が国の一大方針だった。産児制限など敵国の思想である。衆議院議員となり、治安維持法反対の先頭に立ち、右翼に刺殺された。39歳だった。
※週刊ポスト2011年1月21日号
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