• TOP
  • 特集
  • 1960年に198万5000部売れた複雑怪奇な性指南書が存在

特集

2011.01.10 17:00  週刊ポスト

1960年に198万5000部売れた複雑怪奇な性指南書が存在

 台湾人医師・謝国権先生による『性生活の知恵』という“セックスハウツー本”は、1960年に発刊された。性について語ることのど許されなかった時代に書かれたこの本は、空前の大ヒット。最終的には198万5000部の売りあげだった。辺地の村役場の助役の家にもあったぐらい。当時、手も足も出なかったエロガキにとっては、50年経ってなおこの本はひどく難しい。

 本のトビラを開けるとすぐにモノクロのグラビアページがある。目も鼻も口もない人形が、性交の体位(この本では態位)を示している。無機質で即物的な人形の写真には、情緒、スケベ心の付け入る隙間なんてありゃしない。タイトルは「アルファベット式 性交態位分類法」と打ってある。

〈この分類法は性交態位が、誰にも解りやすく理解される清潔な表現法として考案されたものである〉

〈男性姿勢の記号は〔 〕の中に示され、女性姿勢の記号は( )の中に示されている。各態位群においては、性交運動の受動的立場にある側にアルファベットの大文字が当てられ、主動的な側に小文字が当てられている。(中略) 性器接吻の各型は、性交態位とは言えないが、末尾に付加した〉

 どうです、この難渋、複雑怪奇。これが200万部売れたのです。巻頭のグラビアだけではなく、相当ページに、男女それぞれの「仰臥位」「座位」「後背位」の人形写真から、性器接吻、受胎調整法まで懇切をきわめて、類がない。

 たとえば性器接吻――単独型。

「男性側に対して行われる場合で、女性は側臥し、頭を男性の下腹上に横たえる。 男性は左足を、女性の脚間にはさませれば、それによって女性の外陰を刺戟することができ、上体を高目にささえれば左手で乳房を愛撫することができる。女性の左手は男性への愛撫を自由に強化しうる」

 驚天動地のハウツー本だった。

※週刊ポスト2011年1月21日号

関連記事

トピックス