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2011.01.24 17:00  週刊ポスト

24歳M妻 背中を火箸で焼け、指を切れと大工の夫に要求

「発禁本」――言論および出版の自由が保障されていなかった戦前の我が国で、「男女」「性愛」をテーマに果敢にタブーに挑んだ者たちの所産とは──。

 日本エロス雑誌の偉大なる先達として知られる「発禁王」梅原北明(明治32~昭和21年)の軌跡は『性の猟奇モダン』(秋田昌美著 青弓社刊)に詳しい。著者の秋田氏によると、〈エロ奇〉(“エロ奇人”の意)北明は性の学術研究より、性出版に全霊を賭けた人という。
 
 当時の出版は、雑誌ができるとまず、内務省、警視庁、地裁などに提出しなければならなかった。「風俗ヲ害スル冊子図画其他猥雑ノ物品」を公然と陳列し販売することを、旧刑法で禁じていた。しかし〈エロ奇〉北明はめげない。『變態(へんたい)十二史』というシリーズを刊行する。変態の一大百科だった。これが大成功をおさめたため、『變態・資料』を刊行。だが、内容見本は「芽出度く頒布禁止を食ってしまった」。その中にはSMもたくさん論じられていた。その中の話を紹介しよう
 
 * * *
 小口末吉という大工がいた。妻は吉原出身、24歳の美人ヨネ。ヨネは、婚姻後、他の男と不義をした。心苦しいから私を責めさいなんでくれ、焼け火箸で背中にあなたの名前を書いてくれという。末吉が応じると、次は、手も燃やしてくれ。「妻はそのとき熱くないといいます」そして性交する。「ひと晩に三遍か四遍は欠かしません。寝ると直ぐして、眠りに就く時又一遍する。私は体が変になるといって断っても承知しません。ちんぼが立たなくなると、いじって無理に立たせるのです」
 
 そしてヨネはもっと責めてくれという。まだまだ申し訳ない。こんどは「指を切ってくれ」。断ると、頼みが聞けないのは、「別れる気だろう」といい立てる。仕方なく「指の根を糸で縛って血の出ないようにして切ったのです。指はポーンと飛びました」

 ヨネは自分で足の指も切断する。やがて全身血まみれの怪死体が発見され、末吉は逮捕される。

 末吉の自白で、日本初のSM死事件の様子が明らかになった。『變態・資料』は注釈している。「まさに自己破壊と死に至るエロティシズムの高揚を体現した」これも、発禁。
 
※週刊ポスト2011年2月4日号

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