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2011.04.02 15:59  週刊ポスト

ウミガメの交尾 オスの上にオスがまたがって「順番待ち」

 謎めいた島・ガラパゴス島。一体どんな場所なのか? 諏訪中央病院名誉院長・鎌田實氏(62)が、ガラパゴス諸島で見た生態系を語る。

 * * *
 2月に恐竜の島に行ってきた。ガラパゴス諸島だ。南アメリカのエクアドルから1000km離れた太平洋上にある。偶然、生態系の頂点に立つ哺乳類が少なかったために、イグアナやゾウガメが頂点に立った島。

 かつてスペインやポルトガルなどが植民地を求めて、大航海時代に世界の各地を侵略した。捕鯨船がこの島に上陸し、ゾウガメを食用として船に乗せた。ゾウガメの肉はおいしかったようだ。そのため乱獲が始まり、15亜種あったうち、特徴的進化を遂げていたゾウガメ4亜種が絶滅したという。ダーウィンは、軍艦ビーグル号に乗ってこの島にやってきて、『種の起源』という進化論のヒントをこの島の動物たちから得た。

 赤道直下の島なので、僕が行った時期は、日本と逆で、夏の雨期。緑が青々と茂りジャングルを形成していた。ウミガメの繁殖期だった。夜、砂浜に上陸し卵を産みつけた巣を見た。

 ガラパゴスを歩く時には、ナチュラリストという公認ガイドを必ず雇う必要がある。僕らのガイドは、エクアドルの大学で生物学を学んだインテリの女性だった。彼女が説明してくれた。

「ウミガメはメスのほうが巨大です。オスガメがメスガメの上に乗って交尾をするのですが、人気のあるメスガメには、オスガメの上にまたオスガメが乗ったりして順番待ちをします。カメは爬虫類なので、海で長く潜っていると苦しくなります。交尾が続いて苦しくなると、メスガメはオスガメを乗せたまま浮上してくるのです」

 僕がナチュラリストに「順番を待つと、御利益があるんですか」と聞くと、ニヤッと笑って「メスは精力旺盛で、また潜って一戦を交えるので、順番はちゃんと回ってくるんですよ」という。カメは実に逞しい。

※週刊ポスト2011年4月8日号

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