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2011.04.20 15:59  週刊ポスト

生娘よりも性体験豊富な娘が嫁として重宝された時代もあった

 大正時代まで日本には「夜這い」の文化があった。夜這いは、男が仕掛けるパターンだけではなく、女性が行なうこともあった。民俗学者の竹田旦氏は『兄弟分の民俗』で、愛知県知多半島にこんな俗謡が存在していたことを紹介している。
 
「半田・亀崎、女のよばい、男極楽、寝て待ちる」

 同様のパターンは相模や信州、丹後でもみられる。森栗茂一氏は『夜這いと近代買春』で、熊本県水俣近辺の実態を書いた。ちなみに当地は、「佐敷、水俣、女の夜這い」といわれるほどだった。森栗氏は水俣での女の夜這いを肯定する証言を、『聞書水俣民衆史』(岡本達明、松崎次夫編)から抜粋している。要約してみよう。
 
「村には四つの男宿と三つの女宿があり、年頃の若者が男女別に寝泊まりしていた。しかし、約束すれば男が女宿へ行くばかりか、女子も男のところへ泊まりに行く。朝起きてみれば、あっちの女宿から青年共が起きて来る、こっちの男宿から女子共が起きてくる、という按配だった」

 また、水俣では女性が拒否権を発動していた。「男宿の面々は勇んで女宿へ夜這いに行くが、ときには『あんた共戻れ。何しに来たっか』と、泊まらせたくない者は怒られた」

 夜這いは「婚前交渉」に他ならない。それは、戦前まで処女性にさほど重きが置かれていなかった証左でもある。それどころか、嫁にするなら生娘よりもセックス経験豊富な娘の方が重宝されたのだ。

※週刊ポスト2011年4月29日号

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