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北方謙三氏 「ソープに行け!」と言ったのは4回だけだった

2011.05.09 16:00

 かつて若者たちの生きる指標となったハードボイルド人生相談「試みの地平線」。作家・北方謙三氏の強烈なメッセージは、今も男性読者の心に深く刻まれている。63歳になった北方氏を、プロインタビュアー吉田豪氏が深彫りした。  * * * ――今日は

 かつて若者たちの生きる指標となったハードボイルド人生相談「試みの地平線」。作家・北方謙三氏の強烈なメッセージは、今も男性読者の心に深く刻まれている。63歳になった北方氏を、プロインタビュアー吉田豪氏が深彫りした。

 * * *
――今日は北方さんを「試みの地平線」モードでインタビューしたいわけですけど、『ホットドッグ・プレス』での連載開始が30代のときだったことに驚いたんですよね。その若さにしては風格ありすぎで(笑)。

北方:ああ。最初の頃は相談なんか来やしねえから。とりあえず担当編集の、いま純文学の方面で偉くなっちゃってるヤツに、「お前の悩みを言え」って言って。

――ダハハハハ! まずは編集者の悩み相談(笑)。

北方:そしたら「ふたりの女とつき合ってます。で、家内もいます」とか言うわけ。「それはひでえな、お前。そんなもんはうまくやれ」とか、やっぱりメチャクチャな回答なわけだよ。だけど、俺はあまり格好もつけてないのね、半年で終わると思ってるから。そうやってそいつの悩みを全部聞き出してもまだ足りないから、「じゃあ他に誰か若いヤツを連れて来い」って言って、また若い編集者が来て、「お前の悩み全部言え」ってやってたんだよ。

――人生相談って、あまりハガキ来ないですからね。

北方:そうなんだよ。だけど俺が「もうやめていいだろ?」って聞いたら、ドカーンとハガキ持って来られて「これが1号分で来た相談です。やめてもらっちゃ困ります。人生相談では稀有なことですから。エンドレスです」って言われて。「わかったよ。でもいまさら態度変えるわけにいかないから、言いたいこと言うぞ」ってことで続けてさ。なんだかんだで16年経っちゃってね。その間に、だんだん面白くなってきたの。その後は30過ぎの編集者が俺んとこ来て、「読んでました」って言うから、「小説好きなんだね」なんて言うと、みんな『ホットドッグ・プレス』の読者だし(笑)。

――ある程度の世代にとっては小説家というよりも、人生相談の「ソープに行け!」の人だっていう刷り込みになってますからね。

北方:俺、当時から「いつも『ソープに行け!』って言ってますよね」って言われてたけど、連載の最後の頃に担当者が何回言ったか調べたら、4回しか言ってなくて。これはいかんっていうことで「毎回『ソープに行け!』って言うぞ」って宣言したら、そう言える質問がなかなかこなくてさ。「やっと『ソープに行け』って言えるのが来たぞ!」って感じで(笑)。

※週刊ポスト2011年5月20日号

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