国内

都立最底辺校で茶髪撲滅に成功し人気校へ変身させた校長の秘策

 今、日本は未曽有の苦しい状況に立たされているが、重要なのは、強いリーダーシップ。弱い集団を強くしたリーダーの人心掌握術を見てみよう。ここでは、とある「底辺高校」を改革させた男のケースだ。

 * * *
 教育現場の再生は、学校職員だけでなく生徒の変革も求められる難しい仕事だ。鈴木高広氏(68)は、1997年に校長として都立足立新田高校に赴任した。当時の同校は都立の最底辺校といわれ、学年240人中約半数が中退。入試では定員割れの年もあり、「名前を書けば合格する」と揶揄された。「潰してもいい」という雰囲気の中での、いわば“敗戦処理”としての登板だった。

「校舎も本当に荒れ果てていました。生徒は九九もアルファベットもあやふやで、先生もやる気ゼロ。誰もネクタイをしていないのは、生徒に引っ張られて首が絞まって危ないからということでした」

 鈴木氏は絶望と同時にやりがいを感じたという。毎日、勤務開始前の朝7時半に出勤してはジャージ姿に着替えた。

「まずは掃除から始めることにしました。ヘラでガムを剥がしたり、ペンキで落書きを塗りつぶしたり。塀を乗り越えて脱走する生徒を追いかけるのにもジャージじゃなきゃいけないでしょ(笑い)」

 鈴木氏はまず体育教師を味方につけるために空き時間に近隣のゴルフ場を使えるよう手配。生徒の顔と名前を覚えて信頼を勝ち取っていった。

「学校を魅力的にするのはカリキュラムです。優秀な女子生徒を集めるためにホームヘルパー2級の資格が取れるようにした。スポーツ健康系、福祉教養系、情報ビジネス系の3学系を作り、人気が出てきました」

 有名俳優のドラマのロケを受け入れ、髪が黒い生徒だけエキストラで出演できるようにして茶髪の撲滅に成功。謹慎処分を社会奉仕活動に変えた。「総合」の授業では校長自ら教壇に立った。

「お米1合に何粒あるのか実際に調べる授業などを生徒と一緒に取り組みました。校長が率先して現場の仕事をすれば、先生たちも『忙しい』なんて言い訳できませんから」

 2004年には218人が卒業し、入試の倍率は5倍と都立一の人気校に変身した。

「自分が一番汗をかいている自信がありました。自分が動かないで人は動かせません」

※週刊ポスト2011年6月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

精力的に公務に向き合っている佳子さま(時事通信フォト)
佳子さま「お忍び愛報道」に、宮内庁関係者「警備は十分だったのか」と心配する声
NEWSポストセブン
あびるが“母”と慕った和田アキ子は何を思う
あびる優の第2子出産「絶対に知られてはいけない」極秘に進めたレギュラー番組欠席とインスタ工作
NEWSポストセブン
有村架純(プロフィール写真)
人気女優CMギャラリスト 『あまちゃん』出身・有村架純は8年前から4000万円増、のんは“算定不能”で分かれた明暗
NEWSポストセブン
帰国することとなるのか…
小室圭さん、3回目不合格なら日本の法律事務所復帰も 帰国を望まない眞子さんとのすれ違い
女性セブン
X社が開発を進める宮古島の土地。1200坪は東京ドームと同じ広さだ
大野智、宮古島巨大リゾートビジネス 信頼を寄せるパートナーとの関係に周囲の心配
女性セブン
極秘出産していたことでさまざまな意見が飛び交っている
【先出し全文公開】あびる優、極秘出産の内幕 前夫の才賀紀左衛門には知らせず「独身フリー、やっぱり楽だよ」
女性セブン
羽生結弦、YouTube練習生配信で会場にファン詰めかけるトラブル マナー悪化に懸念
羽生結弦、YouTube練習生配信で会場にファン詰めかけるトラブル マナー悪化に懸念
女性セブン
(時事通信フォト)
安倍元首相の国葬に思うこと 60代女性記者が改めて考える「美しい国、日本」
女性セブン
ロコモコ丼もペロリとたいらげるという桐谷
桐谷美玲 ”ロコモコ丼2人前をペロリ”子育てと仕事の両立を支える「旺盛すぎる食欲」
NEWSポストセブン
東海オンエアのてつや・きりたんぽ・峯岸みなみ(写真/時事通信フォト)
峯岸みなみが結婚報告、お相手・東海オンエアてつやとの「キス動画」流出で活動休止のきりたんぽにさらなる同情が集まった理由
NEWSポストセブン
勤務するオフィスに向かう小室圭さん
小室圭さん、すでに「年収1600万円超え」報道の背景 転職サイト給与情報の“罠”
NEWSポストセブン
平手友梨奈と竹内涼真
平手友梨奈の演技に竹内涼真が気遣い 『六本木クラス』撮影現場の和気あいあい
NEWSポストセブン