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今までうまいと思っていた鰹ってなんだ…と思える絶品鰹料理

『銀座 一二岐』の「高知県産鰹のわら焼き」

 今日は何を食べようか? そうだ、海の幸が食べたい! ……というわけで、グルメ雑誌『アリガット』誌の元編集長・小川フミオ氏がセレクトした『銀座 一二岐』(東京・銀座)の「高知県産鰹のわら焼き」を紹介します!

 * * *
 鰹ってうまい。そんなこと、先刻ご承知だろうが、東銀座『一二岐』の「鰹のわら焼き」を食べたとき、「今までうまいと思っていた鰹ってなんだったんだろう」と思わず声が出た。

 割烹として食通の間で人気のこの店では、高知から毎朝、鰹を取り寄せる。それを客の眼の前で、わらで炙り香りをつけ、そののち、ガスの炎で周囲をきれいに焼く。皮には香ばしい焦げ目がつくが、中はしっとり。

 鰹のたたきというと、焼いたあと氷水につけると思われがちだが、「それだと脂が抜けておいしくなくなってしまいます」と主人の吉澤定久さんはいう。そこで温かい状態で供される。それに五島列島の一番塩といって、製塩の際の最初の上澄みを凝固させた甘みのある塩と、青森のニンニクのスライスをのせ、ほおばる。

 口中で広がる独特のうまみは驚くほど。生臭さがいっさいない。高知では生臭い鰹を「ゴリ」などといって敬遠する。鰹は生臭いものではない、というのが、『一二岐』でよくわかった。

 最後に出てくるご飯もうまい。おかわり自由。品のよい店なので2杯ぐらいで自制心が働くが、何杯でも食べられるうまさ。そのあたりも、一級だ。

■『銀座 一二岐』の「高知県産鰹のわら焼き」 1500円

【住所】東京都中央区銀座2-14-6 第2松岡ビルB1F
【営業時間】11時半~14時(LO)、17時半~22時(LO)
【定休日】日(月が祝日の場合、日は営業)
【カード】可(ランチでは不可)

 魚と野菜を中心に旬の食材を楽しめる店。ランチでは、突き出しに豆腐(写真は抹茶豆腐)、野菜の炊き合わせ、鰹のわら焼き、土鍋ご飯、赤だし味噌汁、自家製のお新香、季節のアイスクリームが順番に出される。ランチはもうひとつ「高知県産旬魚の西京味噌焼き(1300円)」もある。予約して行くのがよい。夜はコース(9450円~)のみ

撮影■河野公俊

※週刊ポスト2011年6月17日号

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