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2011.07.20 06:59 週刊ポスト
米国の邦画DVD売上1位『淫乱なる一族』 2位『おくりびと』
500本のピンク映画に出演し、AVを含めて300本以上を撮った池島ゆたか監督の『淫乱なる一族』が全米で〈DVD邦画〉の売り上げ1位の快挙を達成した。その池島監督の撮影現場を作家の山藤章一郎氏が報告する。
* * *
東京・新中野のスタジオ。
「集中力集中力。AVじゃないんだからな。あんあんいってるだけじゃだめだろ」監督の声が飛ぶ。
パンティの上から愛撫のシーン。男が下、女が上。カメラは女の尻うしろから撮る。乗っかってる女のクリトリスを、男が下からパンティ越しに刺激する。指は膣の入り口をさぐりあてた。パンティ布が膣のかたちによじれる。
女は腰を左右に振って、もっと強い指使いを催促する。主演はAV女優の夏海碧(なつみ あおい)。
「あっ待て待て、碧、毛ぇどうなってる」と監督。
女優はパンティを下げ、見せる。
「ちょっと濃いいなあ。まわり剃ってくれる」「了解です」
助監督にT字剃刀とシェービングローションを渡される。
「前貼りもお願いね」「了解っす」
はさみで切ったサポーターテープももらう。バンドエイドほどの小さなサイズを、女優はマンビラビラに貼る。片足をあげて仕上がりを監督に見せる。これで、ようやくカラミに入る。
全裸になった男女のフェラチオシーン。AVではない。ピンク映画は、コンドームをかぶせたアダルトショップの疑似チンを、男の腰前にあてがってフェラする。ぼかしが入ると本当らしく見える。
前日のリハーサル。監督は女優・碧に口を酸っぱくしていた。
「だからさ、何度もいってるけどすべての台詞が流れちゃってるんだよ。口元でぼそぼそいうな。ちゃんとひとつずつに感情を入れるんだよ」
タイトルは、『婚前生だし 未熟な腰つき』。500本のピンク映画に出演し、AVを含めて300本以上を撮った池島ゆたかが監督である。この20年、『おくりびと』のアカデミー賞監督・滝田洋二郎とともにピンク映画をひたすら支えてきた。
池島巨匠の『淫乱なる一族』は全米で〈DVD邦画〉の売り上げ1位になった。アメリカのタイトルは、「Japanese Wife Next Door」(隣の奥さんは日本人)」という。第2位が『おくりびと』。
※週刊ポスト2011年7月22・29日号
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