ライフ

みうらじゅん 両親の遺影を撮る「イェ~イ旅行」を提案する

 みうらじゅんは、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある彼は、遺影写真をあらかじめ撮っておくことを推奨している。
 
 * * *
 葬儀会社の人に話を聞くと、生前に遺影を準備している男性は、一割ほどしかいないらしい。ようするに死んでから遺族があたふたと遺影用の写真を探すワケだ。引き伸ばした額入り遺影を通夜までに用意するには、一般的に、死亡から24時間後には写真を葬儀会社に渡さなければいけないという。
 
 そんなタイムリミットの中で、アルバムや、最近はデジカメだからパソコン内のメモリーを、いい写真がないかと探しまくる。ハッキリいって、これじゃあ泣いてる暇もない。 結局、旅行写真や結婚式の集合写真、最悪は免許証の写真を引き伸ばして使うこともあるらしい。
 
「あの写真、ボケボケじゃない?」
 
 たまに、そんな遺影に出会うが、それはたいていがこのパターンだ。死んだ時に比べ、ずいぶんと若い時の写真にぶつかることもある。
 
「葬式にまで若ぶりやがって」
 
 てっきりそう思っていた遺影も、実はそんな写真しかなくて、しょうがなくて使ってるらしい。それはまずい! 自分もそうだが、さしあたり親の遺影がそれではまずい。だから勧めたいのが、私のような両親との“遺影撮影旅行”だ。

「お父さん、『イェ~イ!!』っていってみて!」
 
 そういって撮れば、遺影旅行というよりも“イェ~イ旅行”だ! いいでしょ、これ。ただし80歳以上の親限定かな。そこまで生きれば、そろそろそんな話をしても怒られないでしょ。
 
 遺影ひとつで葬式の雰囲気はガラリと変わると、葬儀会社の人もいっていた。それだけ重要なのだ。私のオトンの遺影は、その“イェ~イ旅行”で撮った写真に決定した。いい顔してた、それ……。

※週刊ポスト2011年9月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居
完全復帰の中居正広が支持される理由 素晴らしい人柄とプロデュース力
女性セブン
テレビ出演見合わせが続く三浦瑠麗氏(時事通信フォト)
テレビ出演見合わせが続く三浦瑠麗氏 上から目線の発言やインスタ投稿にみる下方比較の匂い
NEWSポストセブン
カラオケ店内で火炎放射する男性
【「やったれ!」でスプレー火炎放射】「カラオケまねきねこ」店内での迷惑行為動画に批判殺到 運営元は「警察にも相談済み」
NEWSポストセブン
篠原涼子はなぜいない…長谷川京子、吉瀬美智子、板谷由夏の「ママ友新年会」に不在の違和感
篠原涼子はなぜいない…長谷川京子、吉瀬美智子、板谷由夏の「ママ友新年会」に不在の違和感
女性セブン
問題となった動画(SNSより)
スシロー「湯呑みペロペロ」騒動 被害受けた店が新たな「寿司つんつん対策」を導入
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
志村けんさん 20年通った旅館が全焼から再建、家族が果たしていた約束
女性セブン
冬のNYの眞子さん
小室眞子さん、渡米1年で深まる秋篠宮ご夫妻との溝 状況打破のために登用された「元客室乗務員」
女性セブン
無精ひげ姿の山下(左)と撮影に挑む新木
山下智久と新木優子『コード・ブルー』コンビが下町で極秘ロケ 暗闇の中で迫真演技
女性セブン
香田晋
《親子共演動画を発見》引退した元紅白歌手・香田晋の息子がイケメンYouTuberになっていた!
NEWSポストセブン
問題となっている動画(SNSより)
【独占】スシロー「湯呑みペロペロ」高校生の父親が涙の謝罪 「本人はものすごく反省しています」「動画撮影はしていない」
NEWSポストセブン
泉ピン子
泉ピン子、渡鬼ファミリー勢揃いドラマに出番なし 「えなり」選んだ石井ふく子との対立泥沼化
女性セブン
長瀬智也 新バンド結成か、バレンタイン翌日に始動へ 謎の言葉「KT.」が意味するもの
長瀬智也 新バンド結成か、バレンタイン翌日に始動へ 謎の言葉「KT.」が意味するもの
女性セブン