ライフ

夏目漱石 執筆に行き詰まると鼻毛を抜いて並べる癖があった

「なくて七癖」――凡人の我々にとっては当たり前のことかもしれないが、歴史に偉大な足跡を遺した偉人たちも、多様な“トンデモ癖”を持っていた。

 文豪・夏目漱石の癖は、遺された原稿を見れば一目瞭然。原稿用紙の余白には短い鼻毛がキレイに一列に並んでいる。執筆に行き詰まると無意識に鼻毛を抜く癖があったのだ。しかも、ご丁寧に、毛根の部分をノリのようにくっつけていた。

 版画家の棟方志功はゴッホの名画、『ひまわり』を見て以来、「わだは(俺は)、ゴッホになる」が口癖になった。あまりにも「ゴッホ」「ゴッホ」と連発するので、周囲から「風邪でもひいたのか」とからかわれたという。

 他人に迷惑をかけない癖ならまだいいが、昆虫博士のアンリ・ファーブルの癖は洒落にならない。彼は突然黙り込んだと思ったら、いきなりキレるという手に負えない癖があった。教員時代、授業でいきなり怒り出し、教室にあったストーブを蹴り上げた。床一面は火の海となり、生徒を震え上がらせた。

 特定の相手と論争を繰り広げる批判癖は、後々まで遺恨を引きずる結果となる。

●文/真山知幸(人物研究家)

※週刊ポスト2011年9月30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン