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2011.10.17 15:59  週刊ポスト

「AVは男目線で作られてるという批判は正しい」とAV監督

AV監督作品数500本以上を誇る巨匠・代々木忠氏

 1981年にアダルトビデオが産声をあげて以来30年。今や5000億円産業とも言われるAV業界だが、若者のAV離れなどもあり、その未来は決して安泰ではない。こうした状況についてAV監督作品数500本以上を誇るAV界の巨匠・代々木忠氏は、その原因は作品にあると指摘する。

 * * *
 ほとんどのAVが男目線で作られているという批判に対しては、僕もその通りだと思います。しかし、その意味で『ザ・面接』シリーズ(1993年~)は女性にぜひ観てもらいたい。

 この作品は初期の頃、ウチの事務所へ面接に来た女性を、複数の男優がレイプしちゃうという設定です。それがフェミニストたちの怒りを買い、結果的に「代々木忠と語る会」という女性たちとの対話の場に発展しました。

 おかげで、僕もエンドユーザーとしての女性を強く意識するようになりました。でも、そこでわかったのは、女性には多少なりともレイプ願望があるということです。「代々木忠と語る会」では、フェミニストの女性たちからも、「(レイプシーンのある)『ザ・面接』がいちばん子宮に響くのよね」って言われました。

 それは、優等生を演じている子も、どこかで殻を割りたいという気持ちが潜んでいるからだと思うんです。でも、自分だけで殻を割るのはなかなか難しい。割る方法はいろいろあるでしょうが、本来、身も心も裸になってするセックスも方法の一つだと思うんですよ。

 AV黎明期はもちろん、ピンク映画や日活ロマンポルノの時代も含め、僕はもう40年以上も、女の股ぐらで飯を食っています(笑い)。だからこそ言わせてもらえば、最近のAVには「人間らしい感情」が欠如していますね。そこには監督の個性も感じられません。

 先だっての大震災以降、人間は心の絆を求めて止まないし、隣にパートナーがいてほしいと願うようになった。人間がより人間らしく生きるには、心と身体が誰かと繋がっているという実感が不可欠なんです。

 ところがAVは、感情を無視して、挿入とか潮吹きとか中出しなんてことにばかりこだわっている。あれでは相手の肉体を使ったオナニーでしかありません。商売も大事だけれど、AVはもっと監督のセックスに対するメッセージを鮮明にし、即物的ではない、人間同士の交わりを描いていくべきだと思うんです。

撮影■田中麻以

※週刊ポスト2011年10月28日号

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