• TOP
  • 特集
  • 江戸時代の性表現にタブーなし 性器NGは明治に入ってから

特集

2011.11.03 15:59  週刊ポスト

江戸時代の性表現にタブーなし 性器NGは明治に入ってから

江戸時代のニッポン。妊婦の腹の中まで描写するなど、「江戸ナンバーワン」の呼び声高い性百科全書の傑作『閨中紀聞(けいちゅうきぶん) 枕文庫』があった。『枕文庫』が現れた当時の江戸時代の性文化を、作家の山藤章一郎氏が解説する。

* * *
『枕文庫』の背景には、性に向き合ってタブーのない奔放で自由な国民思想があった。

『枕文庫』の70年ほど前には鈴木春信という絵師がいた。春信は色を売る若衆、今のホストクラブか、ニューハーフで〈売り〉をやっている者を描いた。

浮世絵研究家・白倉敬彦氏の説。

「男色の絵を買う女性がいました。いまでいう草食系、女装した振袖姿の男子を〈陰子〉と呼びました。この〈陰子〉を春信が描いて、飛ぶように売れたといいます」

写楽以外、浮世絵師のほとんどが春画を描いた。

「彼らはより多く売るため、局部を誇大化して人々を驚かせました。江戸期、セックスは子孫繁栄に直結する性行為だと、禁圧はありませんでした。4、5年で元に戻る〈好色本禁止令〉が3度あった程度です。

しかし明治に入り、アダムとイブに始まる〈性の原罪意識〉をもつキリスト教的なモラルがもたらされ、オーラルセックスは罪がある、性器を写すと法に触れるなど、江戸期にはなかったタブーが出てきたのです」

秘儀、情交、嬌態……〈陰子〉まで、江戸はなんでも見せる耽楽のワンダーランドだった。小誌の大好評連載企画に新しい内容を加えた、評判の大型ビジュアル版『江戸のSEX』(950円 小学館刊)も、次から次に性の百花繚乱のページを展開して忙しい。

〈口吸い〉〈舐陰〉など交合の流儀から吉原案内、春画に描かれた体位の珍プレー、好プレー、さらに〈夜這い〉の大特集まで、二度とは出ない中身。

※週刊ポスト2011年11月11日号

関連記事

トピックス