ビジネス

年金で得するには妻の年収130万円以下、最大19年11か月で退職

サラリーマンの妻(専業主婦)は年金制度では「第3号被保険者(3号)」と呼ばれ、保険料を負担せずに基礎年金(国民年金)を受け取れる仕組みになっているが、妻が就職することで年金を増やすことも可能だ。

妻の再就職を考える場合、パート勤務であっても厚生年金に加入できる“年金制度上の正社員”になることが、妻の年金額を大きく増やす早道だ。特に40代以下の世代なら、定年まで共働きすれば厚生年金加入期間を20年近く延ばせる。仮に平均月給15万円で20年間勤めれば、年金額は月額で8万2000円(基礎年金を含む)。専業主婦の月額から1万6000円アップする。日本人女性の平均寿命(86歳)まで生きたら、実に400万円以上も得するのだ。

ただし、妻が厚生年金に20年以上加入すると、年額22万7000円の「加給年金」がもらえなくなる(妻が年下の場合)。「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏はこう解説する

「年金受給額だけで考えた場合、20年強の勤務では“働き損”になってしまいます。加給年金とのダブル受給を目指すなら、最大19年11か月で退職するといい。厚生年金の加入期間は結婚前などのOL勤めの時期を含むので、足し忘れに注意してください」

厚生年金に加入しないパート主婦として働く場合は、年収130万円を超えると妻は「3号」ではなくなり、国民年金に加入して月1万5020円の保険料支払いが生じる。これではせっかく働いても、保険料の払い損になりかねない。

「妻の就職」は子育てなどの問題も絡むだけに、銭勘定だけで決められるものではないが、年金額が爆発的にアップする魅力は捨てがたい。

※週刊ポスト2012年1月13・20日号

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン