厚生労働省(平成20年調べ)によると全国の糖尿病の患者は237万人。その予備軍となるような強い疑いのある人、可能性を否定出来ない人を含めると約2200万人とも言われている。
糖尿病の初期症状として「喉が乾きやすい」「尿の量が増えた」「疲れやすくなった」などが挙げられるが、これらが糖尿病からくるものだと自覚しているひとが少ない。早い段階で自覚でき対処が出来ればよいのだが、糖尿病の本当の怖さは合併症。
高血圧でドロドロになった血液が全身に招く合併症から、失明する人は年間3千人以上、人工透析を始める人が1万人以上、壊疽で手・足を切断する人が千人以上…。自覚症状がなくても、血糖値が高いとわかった段階から要注意だ。自覚症状がなくても、血糖値が高いと分かった段階から要注意だ。
そんななか、近年、内臓脂肪や高血糖に有用と注目を集めているのが“アカシアポリフェノール”だ。38年にわたり、ポリフェノールの研究を続けてきた理学博士の矢崎義和先生にお話をうかがった。
「老化や病気の大きな原因となるのが活性酸素。体内の酸化、つまり“錆びる”状態が進行すると、体の正常な機能が保てなくなります。その結果、糖や脂肪がたまり、糖尿病やメタボリック症候群を引き起こしやすくなる。
赤ワインやお茶で有名になったポリフェノールには、こうした現象を抑える抗酸化作用がありますが、中でも強力なのがアカシアの樹皮から抽出されるポリフェノールです」
そのパワーはブルーベリーの百倍、話題となった松樹皮の10倍もあり、高い抗酸化作用が期待できます。
「長崎大学大学院医歯薬学研究科で行った実験では、“αアミラーゼの阻害活性”があることが解明され、血糖値が急激に上昇するのを防ぐことがわかりました。また臨床試験でも、空腹時の血糖値が改善し、内臓脂肪も大幅に減少したというデータがあります」
※週刊ポスト2012年2月3日号