芸能

里田まい マー君“おバカ扱い”をやんわりとたしなめた賢妻

大人力コラムニスト・石原壮一郎氏の「ニュースから学ぶ大人力」。今回は楽天・田中将大投手とタレントの里田まいの婚約ニュースから、「本当の賢さとは何か」について学びます。

* * *
前々から交際が伝えられていたプロ野球・楽天のマー君こと田中将大投手と、タレントの里田まいさんが、めでたく婚約なさいました。時機を見て里田さんが田中投手の住む仙台市内のマンションに引っ越して、3月下旬に入籍する予定だとか。

田中投手といえば、去年は念願の沢村賞に輝くなどタイトルを総ナメし、今や日本のプロ野球界を代表する大エース。いっぽうの里田さんも、おバカタレントという新たなジャンルを切り開き、大きく育て上げてきたおバカ界の大エース。

とてもお似合いのカップルです。しかし、中には「やがて大リーグに行くマー君としては、語学堪能な女子アナとかのほうが」などなど、余計なお世話なことをいう人も少なくありません。

何を隠そう私は、里田さんとニッポン放送の『サンデーオトナラボ』というラジオ番組で、去年の秋まで3年間、その前身の番組を入れると4年間共演させてもらっていました(番組は毎週日曜日お昼12時から大好評放送中です!)。

里田さんは、メインパーソナリティの鴻上尚史さんのまさに女房役として、パワフルかつナイスなおバカ発言を繰り出して番組を盛り上げるのはもちろん、細やかであたたかい気配りでゲストをもてなし、教授という名の進行役なのに極めて段取りが悪い私をさりげなくフォローしてくれました。

1年ほど前に交際が報じられたときも、彼女の聡明さや気立てのよさを知っている番組関係者は「マー君は女性を見る目がある!」と感心したものです。

印象的だったのが、どういうデートをしているのかという話になったときに、みんなが口々に「喫茶店の隣の席で聞いていたいよね」「トンチンカンな会話してるんじゃないの」などと冷やかしていたら、里田さんが笑顔で「す、すいません。私はいいんですけど、先方のことは……」と、我々が無遠慮にマー君を“おバカ扱い”したことをやんわりたしなめたこと。一同、深く反省しつつ、あらためて「里田さんは、きっといい奥さんになる」と感じたものです。

先日、婚約を発表した直後も、レポーターに囲まれてプロポーズの状況を聞かれたときに、「西日が差し込んだ状態で」「西日がすごくきれいで」など、とっさに“西日”をキーワードにして笑いを取っていましたが、あれこそ苦労人・里田まいの真骨頂。そこでキレイに「夕陽」と言ってしまったら、幸せに勝手に酔っている印象を与えかねません。あの「西日発言」は、結婚生活の明るい夜明けを確信させてくれたと言えるでしょう。

それにしても、タレントとして「おバカ」の看板を掲げていると、中味もそうだと思いたがる人はやっぱり多いんですね。まあ、タレントとはそういうお仕事だし、表に出ている情報やイメージのとおりに受け取っておくのが楽ではありますが。……なんて、いつもこのコーナーで、表に出ている情報やイメージを元に勝手な論評を繰り広げている私が、そんなこと言うのはチャンチャラおかしいですね。どうもすいません。

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