国内

20~70代女性緊急調査 震災がれき受け入れ賛成者は28%

 東日本大震災では、福島県で年間一般廃棄物の6年分に相当する438万トン、岩手県で同11年分に相当する476万トン、宮城県では最も多い同19年分の1569万トンのがれきが発生した。

 環境省は、このうち放射能の汚染レベルが高いと考えられる福島県だけは県内での処理を決定。ほかの2県分のがれきに関しては、昨年4月に全国の自治体に協力を打診し、一旦は42都道府県の572市町村から受け入れ合意をとりつけた。

 ところが、6月下旬、受け入れムードが一変する。東京都江戸川区や千葉県柏市などの焼却施設で、ごみの焼却灰から高濃度のセシウムが相次ぎ検出されたのだ。東京や千葉のごみが放射能に汚染されているなら、宮城や岩手のがれきも同じか、それ以上のレベルで汚染されているかもしれない――という認識が広まった。

 特にセシウムがほとんど検出されていなかった西日本に与えた衝撃は大きく、大阪以外は受け入れ“全滅”状態となった。

 実際、全国各地の人たちはどう考えているのだろうか。本誌は全国の20代から70代の女性300人に緊急アンケート調査を行った。

 その結果、「震災がれきの受け入れに賛成ですか?」という問いに、現時点で「賛成」と答えた割合はわずか28%に留まった。放射能汚染に対する根強い不安感があることがうかがえる。

 その一方で、明確に「反対」と答えた割合も18%と少なかった。

 多くは「現時点では反対」としつつも「条件を満たせば賛成」とする層で54%にも上った。その条件は、「適切な放射能除染」への要望が80.9%と強く、「東京電力による処理費の負担」も66.7%が望んでいる。

 また、アンケート結果からはある「誤解」も浮かび上がった。

 前述の通り、各市町村が受け入れる震災がれきに、福島県内のがれきは含まれない。しかし回答者のうち、その事実を知っていたのはわずか13.7%で、9割近い人は誤解していた。

 震災がれきの受け入れは岩手・宮城からに限るという条件を解説した後、もう一度アンケートをとると、受け入れ賛成派は28.0→42.3%と飛躍的にアップした。

 住民への受け入れを問う前に、そもそもがれきの受け入れ内容についての周知を徹底する必要があるだろう。

※女性セブン2012年3月8日号

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン