国内

「習ってない漢字使うな」指導で自分の名前を書けない子供も

<最近、自分の名前であっても学校で習ってない漢字を使ってはならないと先生が指導するという。おかしい。だって名前の漢字はすべて学校で習うとは限らない。ならばいつまでも自分の名前は漢字で書けない。名前は親が指導し、学校では友達の名前を読めるように指導すべきと思う>

 立命館小学校副校長で大阪府教育委員も務める陰山英男さんがツイッターに書き込んだつぶやきが、大きな議論に発展している。あまりの反響の大きさに、陰山さん自身驚いているようだ。

「ツイッターでは、大阪府の教育基本条例の問題なども取り上げているのですが、漢字と名前の問題の反響はそれよりはるかに大きいものでした。あまりにも多数の声が次々に届くので、何かの間違いではないかと思ったくらいです」

 反響の理由を、陰山さんはこう分析した。

「保護者の声で最も多かったのは、書ける漢字を書かせないという“ブレーキをかけること”への反発でした。この問題に保護者がここまで熱くなっている背景には、学校への不信があります。これまで教師がよかれと思って指導してきたことが、保護者目線で見るとズレていることがあるんです」

「漢字と名前」問題が浮き彫りにした、いまの学校教育の問題とは──

 例えば「陰山英男」さんが新入生として小学校に入学したとしよう。最初は漢字を習っていないので、すべて平仮名で「かげやまひでお」。1年生のうちに「山」と「男」を習うので「かげ山ひで男」と書くよう指導される。4年生になると「英」の字を習い「かげ山英男」と書くが、「陰」の字は小学校卒業まで書かないことになる。これが名前の「交ぜ書き」だ。

 ツイッターで指摘しているとおり、子供が漢字で自分の名前を書けるにもかかわらず、「平仮名に直せ」と指導されるケースが少なくないことがわかった。つまり、子供は「陰山英男」と書けるにもかかわらず、「かげ山」と書きなさいと教えられていたのだ。東京都在住のAさん(44才・主婦)がいう。

「子供には“小学校に上がる前に漢字で名前が書けるように”と漢字を覚えさせ、子供も名前を漢字で書けるようになったことで自信がついたのか、学校に行くのを楽しみにしていました。ところがある日、『習ってない漢字は平仮名で書かなきゃダメなんだって』とションボリして帰ってきたんです。思わず“ダメってどういうこと? 自分の名前なのになんで漢字で書いちゃいけないの?”と声を荒らげてしまいました」

 さらに、学校や教師によって漢字がOKだったりNGだったりすることで、ますます混乱してしまう子供や保護者もいる。

「うちの名字は『清水』で、息子は全部漢字で書けます。でも2年生で習っているのは『水』の字だけなので、それに従うと『し水』と書かなければいけないことになる。担任の先生は息子が名前を漢字で書いても『平仮名に直しなさい』とはいわないそうですが、書写の先生には『平仮名に直しなさい』といわれてかなり戸惑っていました。

 最近では先生の顔色を見ながら『清水』『し水』を書き分けているようですが、どうして子供がそんな気を使わなくちゃいけないのか。せめて学校内で統一してほしい」(39才・主婦・東京都)

※女性セブン2012年3月15日号

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン