国内

岩手県宮古市のホテル 震災後、再開し復興作業員で連日満室

 東日本大震災により、死者・行方不明者約600人、全半壊した家屋約4500戸という壊滅的な被害を受けた岩手県宮古市。震災から1年が経った同市を、『女性セブン』の名物記者・オバ記者(55才)が訪れた。

 * * *
 宮古市でも海から近い地域は被害も大きく、オバたちが泊まった『ホテル海幸園』は、まだ完全には観光客を受け入れていない。周りの住宅はすべて津波で流されホテルだけがポツンと残ったと社長の千束諭さん。

「1階の食堂やフロント、厨房には他の家から家具などが流れてきて手がつけられない状態で、バスも車もバイクも船も流されました。もう廃業するしかないと観念したとき、市の職員から“宿泊施設がなくてがれきの処理作業が進まない”と聞かされたんです」

 作業員が宿泊していた盛岡市から宮古市は車で2時間以上かかる。それを聞いて元の従業員を呼び寄せ10日かけて1階の泥をかき出し4月20日にホテルを再開した。

「いまも作業員だけで連日、満室です。観光客を受け入れるまでにはまだまだ、時間がかかるでしょう」(千束さん)

 震災前のように遊覧船が浄土ヶ浜を巡り始めたと聞いて翌朝、オバ一行は海に出た。太平洋の波が白く砕ける海岸段丘、高さ40mの棒状のローソク岩など、絶景が次々に現れる。

 ウミネコが空中キャッチするパン投げのサービスも震災前と同じだ。ガイドの金澤明美さんは「3艘のうち1艘だけが沖に逃れて無事でした。船が残って本当によかった。乗ってくださったかたには観光案内と津波の被害の現状の説明をしています。“宮古は元気になってきている”と、全国に伝えたいですね」。

 関東地方から、復興支援ツアーで訪れる人が日を追って増えて、4月28日から、毎日5便の運航に戻す予定だ。

※女性セブン2012年5月3日号

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン