国内

金子哲雄氏「癌との戦いは情報戦。いかに良い医者探せるか」

 10月2日、肺がんの一種である肺カルチノイドのため亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さん(享年41)。女性セブンの隔週連載「『女性セブン』を読めばニッポンと経済が見える」では、9月27日号の「樹木希林 転医治療で『乳がんが消えた!』」という記事を足がかりに最先端医療に言及している。

 * * *
 9月上旬の男性週刊誌に、作家のなかにし礼さんが陽子線治療によって、がんを克服した記事が載り、話題を呼びました。それからわずか3日後に発売された女性セブンに、この樹木希林さんの記事が載ったわけです。樹木さんも陽子線治療で乳がんを克服していたというレポートでした。

 一部の人たちの間に、この医師、この療法なら治る確率が高いという情報が流れ、それをもとに患者が動いていることを、読者に強く印象づけたと思います。

 陽子線をはじめとした最先端治療は、場合によっては数百万円という高額の自由診療になります。保険に、がん特約や先端医療特約をオプションでつけても、最先端治療費のすべてをまかなうことはできません。特約を付けているかたは、この点、注意してくださいね。

 もうひとつ、この記事は大事なことを示唆しています。樹木さんは鹿児島の民間の病院で治療されました。優秀なドクターは東京だけに集中しているわけではないのです。大病院で優秀な医師が最先端医療によって、標準的治療以外で実績をあげると、周囲から圧力が加わり、独立して開業せざるを得ない。

 しかも薬が入手しにくくなるといった妨害を受けるために、首都圏を避けて地方に開業するケースが多いといわれています。がんとの闘いは情報戦になってきました。いかによいドクターを全国から探し出せるかにかかっています。がんに限りませんが、生き残るには情報力が必要な時代です。

 情報収集には、もちろんネットを使いますが、ネット上の情報はレストラン情報と同様、玉石混淆です。より信頼できる情報をどう集めるか。最近、週刊誌や夕刊紙がよく取り上げるようになってきた最先端治療情報は要注目だと思います。

 やはり、患者の体験談のみならず、お金をかけて客観的に取材している記事は、信用度が違います。

※女性セブン2012年10月18日号

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン