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宮本輝の最新作は下町が舞台 良心が繋ぐ人の心根を描いた話

【書籍紹介】『水のかたち(上・下)』(宮本輝/集英社/各1680円)

 東京・門前仲町に暮らす志乃子は、自宅近くの喫茶店に置かれていた文机に魅了されていた。50歳になった記念に求めようとしたところ、譲ってくれるといわれ、さらに薄茶茶碗と朝鮮の古い手文庫まで持たされることに。ところが、茶碗は予想外の価値があり、手文庫からは〈菊子ちゃん、貴女に贈る思い出のリュックサック〉で始まる、半島からの決死の脱出行を綴った手紙類が見つかって……。良心が繋ぐ人の心根を活写した最新宮本文学。

※週刊ポスト2012年10月19日号

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