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密着型カツラ 装着時の粘着剤不要で30回程度の取り外し可能

 カツラの装着方法として、いま主流になっているのが、【密着型】と呼ばれる方式である。

 人工毛や人毛を植え付けたベースの部分を、頭皮に貼り付けて固定する方式で、一般的には各社の専用サロンで装着し、2週間から1か月程度、連続装着することになる。以前は両面テープで貼り付けることが多かったが、最近では専用の粘着剤を使うのが主流に。

 密着型のわかりやすい例がプロピアの「ヘアコンタクト」だろう。腕に髪を貼り付けた衝撃のテレビCMで話題になった製品で、超極薄の0.03ミリというポリウレタン製のベースが特徴である。

 髪を植え付ける台座としての強度を保ちながら、この薄さを実現したところが大きな特徴だ。ベースには特殊な粘着剤が塗布され、自分で取り外しも可能だという。

「ぬるま湯で洗えば、粘着力が復活します。装着時に粘着剤は不要。30回程度の取り外しが可能です」(プロピア広報・白山貴志氏)

 仮に1日1~2回外すとすれば2週間から1か月程度利用できる。カツラは使い切りで、傷んだらその都度新しいものに交換していくが、植毛作業の機械化でコストダウンが可能になり、1ピースの価格は平均1万1800円。年間約14万~28万円となる。

 ただし、ヘアコンタクトの場合、すでに毛が無い部分(毛根が死んでいる部分)に貼るのが原則。髪を剃って装着することもできるが、下から髪が生えてくるのであまり奨めていないという。

 一方、業界最大手のアデランスでは、密着型の製品として「ヘアパーフェクト」を展開している。

 この製品は、たとえば、カツラが生え際から後頭部にかけて必要な場合、生え際部分には強い粘着剤、頭頂部には髪を挟んで地肌に吸着させる粘着剤と、使い分けることで、自然な融合を実現している。

「地肌がかぶれたりしないよう、安全な粘着剤を開発するのに数年を要しました」(アデランス生産統括部生産管理部・佐藤貴氏)

 使用時にはパッチテストも行なって、安全性を確認する。

 ヘアパーフェクトは自分で取り外すことはできず、連続装着が基本だ。3ピース購入して3週間おきにサロンに行き、カツラのケアや散髪をする際に着け替え、ローテーションするという使用法が一般的で、このパターンの利用でカツラの寿命は2年前後だという。大きさによって価格は異なるが、平均で約70万円。サロンの料金は3000~6000円ほどである。

 アートネイチャーがこの10月に発売した「レクア」は、装着法を選ぶことができ、密着型にも対応している。自毛が残っている部分は短く刈り込んで、頭皮に粘着剤で貼り付ける方式だ。

 レクアの特徴は、生え際部分に直径0.04~0.08ミリという極細の“産毛”を植え付ける技術にあり、一番バレやすい生え際をより自然に見せている。料金は平均的な例で、2年間で2ピースのカツラをローテーションしたとして60万~70万円、このほかサロンに通うメンテナンスコストが月3万円ほどかかる。

※週刊ポスト2012年11月2日号

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