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尼崎事件 乗っ取った家の夫婦を外に立たせホースで水かけた

 尼崎連続怪死事件の主犯・角田美代子被告(64)の標的となったのが香川県・高松市の谷本家。同関係者はこう語る。

「谷本家は彼らによって蹂躙されて生活が一変。ちらっと家の中を覗いたことがあるんですが、台所は洗ってない食器が重なって、部屋中ゴミの山。要するに家を乗っ取られてしまったのですよ」

 近隣住民は父親や母親が角田被告らの虐待や羞恥プレーに耐える姿を度々みかけたという。

「それは悲惨な光景でしたよ。谷本家の夫婦が塀越しに立たされてね、そこへ角田や男たちがホースで水を浴びせるんですよ。夫婦は黙って水に打たれたまま。じっと下を向いて動かない。夫婦ともにガリガリに痩せていたね。奥さんなんて裸で正座させられていたこともある。角田が何やら説教していました」(近隣住民)

 夫婦が裸のまま家から逃げ出して、『なにか食べさせてくれ』と泣きながら近隣住民にせがんでいたこともあるという。谷本家の親族が涙ながらに語った。

「娘たちは当初こそ両親を守っていたらしいが、恐怖心を植え付けられるうちに角田に洗脳されていった。特に瑠衣は角田に命じられるまま父親や母親を殴るようになったんです。我々親族が咎めても『角田さんのいっていることが正しい』とまで主張するようになってしまう」

 角田被告らは昼間は競艇に繰り出し、夜は連日宴会。その費用は父親が親族から無心して掻き集めた。

「数人の親族が谷本家に呼ばれたことがあった。集まった親族を前にして、父親は『金が必要だ。なんとかしてくれないか』と、憔悴した表情で訴えました。返済しなければならない借金があるということ。結局、親族総出で2000万円ほどかき集めて父親に渡しました」(親族の一人)

 角田被告らは半年近くにわたって谷本家に居座り続けた。その財産をしゃぶり尽くすと同時に尼崎に帰郷。しかし既に谷本家は崩壊していた。

 谷本家の関係者は語った。

「角田被告に気に入られた妹の瑠衣は高校を中退して尼崎へ。その後、角田被告の息子と結婚した。母親は、心労がたたったのか、昨年亡くなった。父親は責任を感じて家を飛び出し、現在は人目を忍んで生活しています。一方、姉は妹とともに尼崎に連れ去られたと見られますが、現在の行方はわかっていません。同じく高松市内に住み姉妹の面倒をしばしば見ていた伯父も行方不明になりました」

 DNA鑑定によって、尼崎の民家の床下から発見された遺体の一つは伯父のものと判明している。

※週刊ポスト2012年11月2日号

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