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2013.01.04 07:00  NEWSポストセブン

「歯医者=高い」は本当? 話題の歯の保険も含めて徹底検証

歯医者の値段を解説する節約アドバイザーの和田由貴さん

 海外に比べて歯の治療意向が低いと言われている日本でも、最近は歯に関する意識が高まっている。と言っても、「ボーナス10万円を使って歯のホワイトニングと、セラミッククラウンをやってみた」「思いきって100万円の歯列矯正を始めた」「奥歯をインプラントにしたら300万円もかかった」などの声も多く、世間的には“歯医者=高い”というイメージも少なくない。果たして歯医者は本当に高いのだろうか? 節約アドバイザーの和田由貴さんはこう解説する。

「確かに、虫歯や歯のクリーニングはともかく、矯正やホワイトニングといった審美的な治療やインプラントとなると“高くつく”という認識が一般的にあるかもしれませんね。ですが、体のメンテナンスにかけているほかの部分の費用と比べると、実はそんなに高くはないんですよ。例えば5000円の整体に体調改善のために2週間おきに行くと月に1万円かかります。ジムの会費も月8000~1万1000円ほど。年間で計算すると約12万円という金額です。健康管理のための人間ドックにも年3万~8万円くらいかけています。

 女性は美容にもお金をかけますよね。ネイルなら3週間おきに月7000円使うと年間で12万円ちょっと。美容院も2か月に1回、カットやカラーで平均1万円としても年間6万円ほどかけて、みなさん定期的に通いますよね。逆に歯のケアは怠りがちですが、歯周病対策のために歯石取るのなんて安くて、半年に1回2000円ほどです。歯列矯正にしても、30才で100万円かけて矯正したとして残り50年歯を使うと計算すると、1年で2万円です。歯を失って高くつくインプラントになる前に、虫歯や歯周病対策のケアをマメにしておけば、総体的にみたらそれほどの出費ではありません」

 とはいえ、虫歯の治療でも、完治するまでに数回通院が必要となると費用は思いの外かさんでしまう。そんな負担を軽くしてくれる「歯の保険」が2012年10月、エース保険から発売されて話題を呼んでいる。矯正やホワイトニングなど審美治療は対象外だが、虫歯や歯周病の治療、親知らずなど保険診療を補償する「ベーシックプラン」の保険料は、例えば30~34才で月額930円、インプラントやブリッジ、クラウンなどの自由診療も対象となる「お手頃プラン」で月額1930円と意外とお手頃。

 エース保険のダイレクトマーケティング本部・島津正信本部長は、保険の反響についてこう話す。

「この商品は、2008年に先駆けて発売した韓国で人気商品となりまして、その後シンガポールやマレーシアなど東南アジア各国で販売していずれも好調な販売実績を残しています。日本でも10月の発売以来、非常に大きな反響をいただいています。興味をもたれる方は20~40代の方が多く、特に30代の方の加入が多いですね。保険診療の場合は年間15万円の限度額がありますので、自己負担分はほぼゼロになります」

 一方、当の歯科医の意見はどうなのだろうか? 『シルク・ドゥ・ソレイユ』のメンバーなど外国人の患者も多く通う、東京都中央区日本橋浜町にある『トルナーレデンタルクリニック歯科・矯正歯科』の龍信之助院長に話を聞いた。

「海外では歯科診療に公的な保険が適用されない国も多いので、歯の民間保険を使うのが一般的です。それと比べると、保険診療ができる日本の歯科治療の費用は、決して高くないんですよ。それに、この歯の保険商品を使ってもらえると、ぼくたち歯科医も治療をする上でとても助かる。というのは、当然、自費診療の方がいい材料を使えるので、保険を使ってお金を気にせず妥協しない治療をできるのは、患者様にとっても医師にとってもすごくメリットなんです。ただ、この保険商品はできたばかりだから、適用される範囲や申請できるルールまでしっかり認識している歯科医院を選ぶことは大事なことですね。

 歯科医院によっては、患者さんが、かけなくてもいいところにお金をかけさせられているケースも多いんです。それで全てを自費に誘導されると、歯医者は高いというイメージをもたれてしまう。歯科の医療保険制度は戦後ほとんど変わっていないし、ぼくらが治療する上で、保険を全て否定する必要はない。むしろ、保険でできることは保険診療で、自費でやったほうがいいところは自費でとバランスよく治療するのが本来の診療だとぼくは思っています。医療保険はいわゆる制度であって、医学的な治療の根拠(EBM)や効果には保険診療も自費診療も関係ありません。たとえば、金属を使わない診療を希望されても、保険が使える場所もあれば使えない部分もある。そこで自費の選択が必要なケースもあります。

 歯科治療は、材料の種類が多くて点数もひとつひとつ違ってくるから、歯科の保険って医療の保険よりも難しい。だからこそ、歯科医は本来、できる全ての治療、つまり保険診療と自費診療のリスクとメリットを全部説明した上で、患者さんの答えを導き出さなくてはいけない。ですので、うちでは診療時間を30分以上とってしつこいほどしっかり説明しています(笑い)」

「歯医者=高い」かどうかは、結局、歯科医の知識と腕次第!? 「費用VS治療効果」をきちんと考えて説明できるドクターを選ぶことが肝心のようだ。

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