西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、犬もお屠蘇気分で酒を楽しめるのかについて、解説する。
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あけおめ、2013年。本日あたりは、まだまだお屠蘇気分の諸兄が多いのでは? ところでですな、酒好きであれば、一度は考えたことがあるのでは? 「犬に酒ってどうなのよ」ってことを。
私めも、晩酌は欠かさないタイプ。酒の肴の匂いに誘われてか、私めがたしなんでいると、犬ってのは必ず数回はよってくる。悪戯心を出して試しに、「おまえもたしなむか」って、酒の匂いを嗅がす。その時の反応はっていうと、これが犬によって違う。
今は亡き日本犬MIXのパートナー犬は、日本酒とビールにはペロペロって舌をつけた。ワイン、焼酎、ウイスキーはまったくダメ。匂いを嗅いだだけで、どっかへいっちゃう。
現在のパートナー犬の1匹も日本犬MIXだけど、こやつはすべての酒類に対して、顔を背ける。もう一匹のパートナー犬は、ドイツとフランス原産の純血種のMIX。ワインとビールならいけそうだけど、こやつも酒類は一切ダメ。
たしなめる奴とそうでない奴、どこがどう違うのか? 謎ではありますな。
さて、そもそも酒を犬に飲ませていいものか。獣医師によれば、微量なら問題ないのでは? ってこと。実は、犬は体重1キログラムあたり4グラムほどのアルコールを摂取すると、24時間以内に半数が死に至る。
4グラムのアルコールってのは度数15%の日本酒で換算すると、約26cc。おちょこ1杯分程度ってこと。先の亡きパートナー犬は体重16キログラム。ペロペロって舌をつけるくらいなら、とりあえず問題ないってところですかな。
ちょっとぉ、あんた達こそ今日あたりはペロペロでおしまいにしなさいよね、ベロベロになるまでじゃなくってさ! って。カミさん達の声が、なんか聞こえてきそう。ま、お互い、ほどほどにしておきましょうか、今夜あたりは。
※週刊ポスト2013年1月18日号