国内

ホリエモンと乙武洋匡氏が語る要介護受刑者の抱える問題

 長野刑務所に収監されているホリエモンこと堀江貴文氏の元には頻繁に面会者が訪れる。シャバにいた頃の人脈の豊富さからか、有名人の面会者も多く、今回はスポーツライターの乙武洋匡氏が長野を訪れた。乙武氏の巧みな“インタビュー”により、ホリエモンが思わず吐露したのは、刑務所内にいる“要介護の受刑者”に関すること。ホリエモンは「これは社会問題ですよ!」と語る。『中川淳一郎のネットとビールの愉快な話 by NEWSポストセブンVol.3』では、塀の中だからこそわかった問題点を二人が語り合っている。

 * * *

 こんにちは! メルマガ『堀江貴文のブログでは言えない話』の編集Sです。今回は、昨年最後の面会者となった『五体不満足』の著者でスポーツライターの乙武洋匡さんと御大のやりとりをレポートします!

 乙武さん、面会の前日は沖縄にいらっしゃったようです。ツイッター上で「だれだ、沖縄の翌日に長野出張とか組んだのは…。手足が、かじかんでしょうがない(´Д`)」と、なんとも返答に難しいお言葉を披露されておりました…。とにもかくにも、わざわざ長野にまで来てくださったのは、本当にありがたい限りであります。

 さて、面会では主に御大が仕事をしている養護工場の話が中心となりました。御大はこの工場で車椅子の受刑者を介護しているのです。乙武さんの「僕が中に入ったら、何が困りますか?」という質問に、御大は悩みにも似た心境を吐露し始めました。

「乙武さん? 困らないと思いますよ。というか、放置されるんじゃ? 乙武さんは手がかからない人ですから。一番手がかかるのは、心の問題を抱えた人。それが原因で犯罪をしている人もいますし。時間の問題から急いで介護をすると、それに腹を立てる人もいる。でも、時間が決められているから、どうにもできないんですよ」

 シッカリ介護をしてあげたいけど、限られた時間の中では難しい。そんなジレンマに御大は苛まれていたのです。そして、彼らと触れ合う中で、こんな思いを抱くようになったようです。

「彼らは自ら動く意欲を失っていて、心の中がドロドロと渦巻いているんだと思う。『五体不満足』とか乙武さんの書籍を持っている人はいますけど、本を読んでも心のなかではケッとか思っているはず。だから、僕がシャバに出てからできることは、介護ではなく寄付したりすることだけかもしれません」

 まさに今、現在進行形でそうした受刑者たちを介護している人間だからこそ言える言葉なんでしょう。乙武さんもこの御大の言葉には共感する点もあったようで、「僕のツイッターにも、『おまえは恵まれているだけ』とか。妬みみたいな言葉が来ますからね」と追随。御大もさらに話を続けます。

「それは言い訳と甘えですよ。彼らがこのままシャバに出ても、また刑務所戻ってきちゃうんじゃないかと思うんです。独り身の高齢者とかも、『ここにいれば病気になっても病院に連れて行ってくれるから大丈夫だし出たくない』と思う人もいるはず。これは社会問題だなと、肌で実感していますよ」

 気がつけば、ちょっとした社会派ディスカッションになっていました。でも、乙武さんは、「日本は震災後も何も変わってない。だから橋下(徹大阪市長)さんや堀江さんは求められている。間違っていることを『間違っている』と言う人が求められているんです。場所は違えど、僕も頑張ります!」と、この面会を楽しんでくれたようではありました。乙武さん、本当にありがとうございました!

関連キーワード

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン