国内

沖縄米兵自宅に中国スパイが仕掛けたと推測の盗聴器見つかる

 実は現在、日本こそが米中スパイ合戦の最前線となっている。

 極東最大の米軍基地である嘉手納基地に近い沖縄本島中部の北谷町。およそ5年前、この町のマンションから発見されたものに米軍は驚愕したという。

「マンションの5、6部屋に盗聴器が仕掛けられていたのが次々に見つかった。このマンションは米軍人に貸すために建てられたもので、工事の段階で仕掛けられたのではないかと見られている」(在沖米軍関係者)

 日本に駐留する米軍人や基地内で働く医師や教師などの米軍属すべてが基地内に住んでいるわけではない。

 防衛省によると、沖縄では軍人・軍属やその家族合計で約1万5000人が基地外の住宅で暮らす。基地外に5000棟を超える軍人住宅が建設され、その多くは、本島中部の北谷町や沖縄市に集中している。地元不動産業者によると、「階級の高い軍人が多い」という。

 さらに米軍関係者に取材を重ねると、別のルートからも類似した情報が得られた。米国防総省関係者が明かす。

「数年前、基地外の住宅に住んでいた米軍人が、自宅で所有していたパソコンの異常に気づいた。その軍人はすぐに上司に報告し、米軍の調査部隊が住宅の中を綿密に調べた。すると、何者かが部屋に侵入してパソコンからデータを盗んだ形跡が見つかるとともに、盗聴器も発見された」

 この件を重視した米軍はその後、さらに徹底した調査を行なったという。

「調査結果は詳しく明かせないが、その建物や部屋には中国資本にごく近い協力者が容易に出入りでき、実際、頻繁に出入りしていた。それにより、中国による工作活動の可能性が濃厚だと結論づけた」(同前)

 その2つの証言が示す盗聴事件が同一のものかどうかは不明だ。ただし、両関係者ともに「事件の後から、重要情報にアクセスする権限を持つ軍人の住居には、軍の専門機関が“クリーニング”と呼ばれる盗聴器検査を頻繁に行なうようになった」と同じ証言をしたことから、それらの事件が実際にあった可能性は高い。

※週刊ポスト2013年3月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン