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インドネシアやフィリピン産の“次世代ウナギ”輸入が活発化

 一般紙やテレビが報じる日々のニュースを眺めているだけでは、各業界の細部までは見えてこない。日本には2000を超える業界紙があると言われるが、そのなかから「日本養殖新聞」(発行部数/1万2000部、発行日/毎月5・15・25日、価格/年間1万9950円)、を紹介する。

 今やシラスウナギは数年来の深刻な不漁で高騰し、「海のお宝」となっている。老舗の鰻屋が相次いで閉店を余儀なくされ、2月には環境省が絶滅危惧種に指定した。

 同紙の主な購読者は国内養殖業者や加工メーカー、問屋、商社、販売店だが、ウナギ養殖を行なっている台湾や中国でも読まれている。

 当然、最近のトップ記事は「シラスウナギ不漁」が続く。2月25日号では中国ウナギの輸出を扱っており、「対日向け加工品(昨年の)半数を割る」との見出しが業界の危機感を物語る。また、毎号掲載される捕獲されたウナギのサイズや取引額などの速報欄『うなぎ総合市況』に、業界関係者が一喜一憂するという。

 大逆風が吹き荒れる中、同紙が重要視している話題は「次世代ウナギ」だ。ニホンウナギとは品種が異なるインドネシアやフィリピン産のウナギで、“代用品”としてサンプル輸入が活発化している。

「試食では“味はいい”と高評価を得ており、輸入を支持する声がある。ですが、一方では“日本伝統のウナギ文化を守るべき”、“ニホンウナギと称して販売される可能性がある”という反対意見もある。国民食といわれる食材だけに問題は複雑です」(高嶋取締役)

※週刊ポスト2013年3月29日号

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