国内

上毛新聞の国民栄誉賞スクープは「読売の関与薄める狙い」か

「えっ!? ウチのスクープなの?」──そう記者がいったかどうかは定かではないが、長嶋茂雄、松井秀喜両氏の国民栄誉賞をスクープしたのが、巨人の親会社の読売新聞ではなく、群馬県の公称31万部の地方紙「上毛新聞」(本社・前橋市)だったことで様々な憶測が流れている。

 そもそも上毛新聞にスクープの認識があったかも怪しい。4月1日付朝刊の1面に『長嶋、松井氏に国民栄誉賞』の見出しは掲載されているが、本文は2面。天気予報の上のわずか26行で報じられており、1面では『福田元首相名誉県民に』の記事がメインを飾っている。県庁担当の全国紙記者もこう語る。

「扱いが1面のトップ記事でなかったし、長嶋、松井氏とも群馬県とは無関係なので、てっきり通信社の流した原稿だと思い込んでいました」

 4月1日付だったことから、マスコミ各社が取材しても「エイプリルフールでしょ」とはぐらかされ、夕刊で後追い記事を書いたのは読売新聞だけ。

「渡邉恒雄会長と昵懇の間柄にある中曽根康弘元総理の地元は群馬。そのルートを使って上毛新聞にリークすることで、巨人から同時受賞という“読売の関与”を薄めたかったのでは」(政治ジャーナリスト)と穿った見方もされるほど。とはいえ上毛新聞さん、扱い小さすぎます。

※週刊ポスト2013年4月19日号

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