ライフ

がん治療費 乳がんは5年92万円、肺がんは2年45万円のケース

 高額な医療費がかかるがん治療。しかし、国の保険が適用された後の実際に払うお金(自己負担額)でみれば、想像していたほど大きな金額ではない。日本人の罹患者数上位の「胃がん」「肺がん」「大腸がん」「乳がん」「肝臓がん」の部位別に、一般的な治療をした場合の自己負担額は以下の通りとなる(3割負担、高額療養費制度利用の場合)。

 もっとも自己負担額が大きいのは乳がんだ。乳がんの平均入院日数は11.8日。できる限り切除範囲を小さくする工夫をする“温存手術”が主流に。再発予防でホルモン療法を5~10年間行うケースも多く、その分、治療費が長期間のしかかる。失った乳房を人工乳房で再建すると自己負担となり、費用は50万~100万円単位で増える。がんと診断された後の5年後生存率は87.7 %。

 乳がんで温存手術・術後再発予防抗がん剤・放射線療法を行った場合、5年間で計92万円となる。

 手術後、再発予防のために放射線照射、抗がん剤治療を実施。抗がん剤治療終了後、ホルモン療法と検査を5年間にわたって続ける。入院は手術時だけで、後の治療はすべて外来で行う。

 肺がんは平均入院日数21.7日で、進行が早いのが特徴。発見されたときには、すでに手術できない状態になっていることが多く、放射線治療や抗がん剤治療が中心となる。がんと診断された後の5年後生存率は29%と低い。

 小細胞肺がんで放射線化学療法を行った場合、2年間で計45万円となる。

 放射線化学療法は、まず、放射線治療と抗がん剤治療を20日間の入院期間中に実施。その後、3か月にわたって抗がん剤治療や、転移しやすい脳への予防的放射線照射を行う。1年目は治療と検査、2年目は検査が必要となる。

 平均入院日数22.6日の胃がんは、診断された後の5年後生存率は64.3%。早期で見つかった場合、腹部を切らずに内視鏡で粘膜を切り取るだけの手術も可能。内視鏡は日帰り手術を行う医療機関もあるほど。早期の場合、5年後生存率は9割を超える。ただし、再発予防のための検査は3年目以降も続く。

 胃がんで腹腔鏡手術療法を行った場合、2年間で計14万円となる(3年目以降は毎年3万円の検査費用がかかる)。

 お腹に4か所程度の穴をあけ、そこから腹腔鏡やメスを入れて患部を切り取る手術。手術費用は120万円と高額だが、高額療養費制度が適用されるため、実際の負担額は9万円程度に。入院は10日ですむ。術後の検査費用などを含めると上記の額に。

 肝臓がんは2年間で計21万円(経皮的エタノール注入療法を行った場合。3年目以降は毎年6万円の検査費用がかかる)、大腸がんのケースでは、結腸がんで2年間で計42万円となる(切除手術・術後再発予防抗がん剤療法を行った場合)。

※女性セブン2013年4月25日号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン