西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、イヌの車酔い克服法について解説する。
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秋ですな。秋って~と、子供の頃は、遠足なるもんが楽しみでしたな。一方で悩ましくもあった。
あの貸し切りバスってのに乗ると私め、一時期軽く酔うことがあったんですわ。
バスの中では歌いまくって、しゃべりまくって、酔うかもっていう気持ちを、右に左に蹴散らかしてた。その作戦はバッチシでしてね、結果、「酔わなかったぞ体験」を積み重ねることができ、貸し切りバスでの車酔いを克服できた。
さてと、読者諸兄の中には、自身の犬が車酔いするって方もおるのではなかろうか。ってなことで、今回は犬の車酔い克服法をば……。
犬もですな、この「酔わなかったぞ体験」ってのが重要。
もちろん私めが自ら実践した方法はとれない。なんてったって、犬は気を紛らわせるために歌いまくったり、しゃべりまくったりしませんからね。んで、以下の方法で「酔わなかったぞ体験」を積み重ねさせる。
【1】キャリーバッグを安心できる寝床とし日頃使う
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【2】エンジンをかけずに犬をキャリーごと車に乗せ、ガムなどを与え「車に乗るといいことが起きる」という体験をさせる
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【3】エンジンをかける
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【4】数十メーター走って車を一旦止め犬の様子を見る
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【5】犬の様子が通常と変わりなければ、再度車を走らせ距離を少し延ばす。様子が少しでも変かなと感じたら、一旦休憩。リフレッシュさせてから、今度は距離を短めにして同じことを。
初日は全体で5分程度に。後は、日ごとに車を走らせる距離、全体の時間を延ばしていく。酔い止めの薬やサプリを使用しながらであれば、さらによろしい。
目安は休憩なしで30分の走行。なぜなら、30分酔わない犬は、経験上それ以上走っても酔わない。逆に、酔う犬は30分以内に吐く。
さぁ、これでもう安心、ご貴兄の犬はもう、よワン。
※週刊ポスト2013年10月18日号