国内

米国ではリベンジポルノ規制あり 日本も乗り出すべきと識者

 東京・三鷹市の閑静な住宅街に住む私立高校3年の女子生徒(18)が、かつての交際相手だった池永チャールストーマス容疑者(21)に襲われた事件。発生6日前の10月2日、女子生徒の写真計67枚がインターネット上にバラまかれた。写真は女子生徒自身の手によっての撮影、いわゆる「自画撮り」されたものだった。

 誰かに見せるとしても、非常に親しい関係にある人にしか見せないようなものばかりだ。不特定多数に向かって写真が公開されるのは、女子生徒への脅迫が目的としか考えられない。

 その画像がアップされた翌々日、女子生徒は高校の担任にストーカー被害を相談し、担任は警察にも連絡している。さらにその2日後、同じユーザー名から沙彩さんが映る1分間の動画が投稿された。同日、アップされているサイトのアドレスを池永容疑者はツイッター上で拡散させた。
 
 その2日後、女子生徒は両親を伴って三鷹署を訪れた。警察からの警告の留守電を聞いて、男はナイフを握りしめ、女子生徒宅に侵入して身を潜めた。夕刻、男は女子生徒を刺殺し、逃走中の18時29分、ネット上の掲示板に画像のアドレスを掲載した上で、
 
〈被害者。無差別ではないです。恨みがありました。〉
 
 と犯行動機の告白とも読める書き込みを行なった。その数分後、殺人鬼は現場近くで逮捕された。
 
 警察の調べに対し、池永容疑者はそれらの投稿を行なったことを認める供述をしているという。
 
 フラれた腹いせに、元恋人や元配偶者の裸の写真や映像をネットに投稿する──そのような行為は「復讐ポルノ(リベンジポルノ)」と呼ばれ、世界的に社会問題になっている。この10月、米カリフォルニア州議会では、嫌がらせを意図してヌード写真をネットに流通させた者には、最大で6か月の禁固か1000ドルの罰金を科す法案を成立させた。ITジャーナリストの小山哲太郎氏が指摘する。
 
「1度ネット上に画像や動画が流出してしまうと、劣化しないままいつまでたってもコピーが流布し、なくなることがない。被害者には壮絶なダメージを与えることになる。また、被害者が幼ければ児童ポルノにも該当する。現状では、弱い立場の女性や子供ばかりが脅威に晒されている。
 
 アメリカのリベンジポルノ規制は大きな一歩。海外サーバーだと摘発が難しいなど問題も多いが、早く日本でも法規制に乗り出すべきだ」

※週刊ポスト2013年10月25日号

関連キーワード

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン