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2013.10.21 07:00  週刊ポスト

かわぐちかいじ氏、神足裕司氏 躍進カープにエールを寄せる

 広島東洋カープが16年ぶりにAクラス入りし、CSを盛り上げた。広島県尾道市出身、『ジパング』『太陽の黙示録』などの作品で知られる漫画家のかわぐちかいじ氏(65)も1975年の初優勝から1991年までの17年間で優勝6回というカープ黄金時代を味わったファンの一人だ。

「強くなった頃にはもう上京していたんですよ」

 カープの情報を得るにはラジオしかなかったが、中国放送の音はかわぐち氏の持っているラジオには8時からしか入ってこない。それまでは他局のラジオ放送で、試合の途中経過を聞いてやり過ごし、悶々とした。

「8時を過ぎるまでは音が切れ切れでさ、ノーアウト満塁……バッター山本の……オーッとなった瞬間に消えていく(笑い)。おいおい、何で肝心のところでラジオ切れるんだよ、とツッコミをいれてね。でも、逆にずっと音が繋がったらこれは仕事にならないな、とその頃は本気で心配していましたよ。

 逆に巨人は毎日テレビでもラジオでも中継される。巨人ファンは東京に住んでいたら仕事どころじゃないなと思っていたけど……こんなに球団を愛しているのって広島ファンぐらいだってのに後から気付きました(笑い)」

 東京で広島ファンを隠すことはしなかった、とかわぐち氏はいう。すると、類は友を呼ぶのか、広島ファンのもとには広島ファンが集ったという。

「一方、巨人ファンの人たちは自分がメインストリームということに対して、少し恥ずかしがるところがあるんだよね。ローカルに遠慮する感じというかさ。

 僕たちにとっては阪神だってローカルじゃないんですよ。巨人と阪神はコインの裏表。権力の巨人に対して、阪神ファンは“反権力”の代表みたいな顔をしているけど、私ら広島モンからいわせれば所詮、両方権力ですよ。そうした都会のエリート球団をローカル球団が倒す快感がたまらない」

 かわぐち氏が今季CSの彼らの闘いぶりに涙したのは言うまでもない。マエケンや大竹の熱投、梵の堅守、野村監督のリーダーシップ……カープの闘いぶりに、人々の心は強く揺さぶられたに違いない。

 2年前、くも膜下出血で生死を彷徨い、現在はリハビリ中の神足裕司氏(56)もその一人だ。広島市出身のコラムニスト。未だ会話もままならないが手書きメッセージを寄せてくれた。

〈ボクの生まれた昭和32年に旧広島市民球場はできた。ど~んと市内の中心に存在感バリバリで建っていた。それが(2000年初頭)JR貨物ヤード跡地に移転することになって、「ホンマに新球場の建設は進むんかいな」と当初心配していた。

 でも日本人のほとんどが巨人ファンだった時代、よくぞ広島にカープはあった──その歴史は買えないから絶対にカープをなくしちゃダメだ! そんなことまで(市民に)考えさせる移転だった。

 広島には強い武器があった。“地元”“地域”って故郷を思う気持ちが強いことだ〉

 2004年から新球場建設のために半世紀ぶりに「たる募金」は行なわれた。最終的に1億2500万円が集まった。そして2009年、「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」は完成した。

〈新しい広島市民球場は、広島人の力の結晶だ。だから、そろそろ今年あたりAクラス入りしても、当然なのだ〉

 神足氏はいま、カープの活躍に背中を押されるようにリハビリに励んでいる。メッセージの終わりはこんなカープへの激励で締められていた。

〈恐いもん、ないけんね。ど根性なのだ。ワッショイ!〉

※週刊ポスト2013年11月1日号

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