ライフ

花粉症に似た「寒暖差アレルギー」点鼻薬使用で症状の悪化も

 台風26号が過ぎ去った後の10月19日からグッと冷え込み、すっかり秋モードとなった日本列島。それとともに、街中になんだか鼻水が止まらない人たちが急増中。

「風邪かな? でも、熱はないしなぁ…」「花粉症? でも、花粉は飛んでないはずなんだけど…」──そんな疑問をお持ちのあなたは、もしかすると「寒暖差アレルギー」なのかもしれない。札幌医科大学耳鼻咽喉科の白崎英明准教授は言う。

「“寒暖差アレルギー”とは、その名の通り、急激な温度差によって鼻水が出たり、頭が痛くなったりする病気です。正式名称は“血管運動性鼻炎”といって、アレルギーや風邪とは違い、原因となる特定の物質やウイルスなどがないのが特徴です」

 私たちの鼻から吸い込まれた空気は、空気を体内と同じ約37℃に温め、湿度を100%に高め、ゴミなどの異物を粘膜にくっつけて濾過するという3つの過程を経て、肺に運ばれる。例えば、寒くて乾燥している空気を吸い込んだ場合、鼻は空気を温めるために血管を拡張させて血流を活発にし、湿度を上げるために鼻水を出す。このような働きは自律神経が司っているのだが、この自律神経は気温の差に弱い。

「自律神経は急激な気温差に対応するのが難しく、春や秋といった寒暖の差が激しい季節になると、異常が起きてしまうことが多いんです。寒暖差アレルギーとはこうしたことが要因で、自律神経に異常が出てしまったため、鼻粘膜が過剰に腫れたり、鼻水が出たりする症状をいいます」(前出・白崎准教授)

 鼻水や鼻づまりなど花粉症や風邪に似た症状を持つ寒暖差アレルギー。薬局などで売られている点鼻薬の多くは、使いすぎると自律神経の働きがよけいににぶくなり、症状を悪化させてしまうことがあるという。

「病院で採血をすれば、寒暖差アレルギーはしっかり判断することができるので、すぐに医師に相談すると良いでしょう。治療方法は投薬治療で、くしゃみと鼻づまりに効果がある抗ヒスタミン薬を使うことになります」(前出・白崎准教授)

※女性セブン2013年11月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン