スポーツ

江本孟紀氏評 星野仙一氏は大型補強をしたシーズンだけ優勝

 野球評論家の江本孟紀氏といえば、現役時代に「ベンチがアホやから野球がでけへん」と言ったことでも知られているが、彼がいう「アホ」は単なる罵倒ではない。親しみと温かさをこめて使う言葉であり、「変われば良くなる」という期待が込められている。その江本氏が、2013年版の愛すべき日本球界の「アホ」なこととして楽天球団について語ってもらった。

 * * *
 なんといっても今年は楽天の年でした。でも、ひょっとしたら球団は、今年優勝するとは思ってなかったんじゃないですかね。

 楽天はNPBから、「球場にもっと観客を入れられるようにしろ」と勧告を受けていた。(※2004年の球界参入時から、窮状の集客人数を2万8000人にするよう、日本シリーズを主催するNPBから要望を受けていた)しかしそれをずっとほったらかしにしていて、日本シリーズをやる段になって、急ごしらえで仮設スタンドを作った。工事現場の足場みたいなヤツです。お客さん、相当怖かったと思いますよ。

 もっとひどいのはチケットの価格。そんなガタガタの席が3500円で、立ち見でも2500円。東京ドームよりも高い、アホみたいな値段ですよ。

 商魂逞しいのは結構ですが、それがすぐに裏目に出ましたね。田中のポスティング問題。100億円入るともいわれ、田中を高~く売ろうと「夢の実現!」なんて煽っていたら、MLBに足元を見られて20億円に値切られた。まァ、これは楽天だけの責任じゃないが、もし田中残留になれば球団は悲惨ですよ。

 三木谷浩史オーナーは「残留なら8億払う」なんていっちゃったし、何より田中は典型的な「隔年投手」(※活躍する年と不調の年が交互に訪れ、その差が激しい投手のこと)なんです。来年は“活躍できないターン”なんですね。

 しかも星野仙一監督は、大型補強をしたシーズンにしか優勝できない。“名監督”といわれる割には、監督を16年間もやっていて、4回しか優勝していないなんてギネスものです。まァ、別の才能はあるんだろうとは思いますが(笑い)、少なくとも勝つ才能はない。

 勝っているのは中日でも阪神でも大補強した年だけです。今年もマギー、ジョーンズという新助っ人のおかげで勝てた。田中だって24勝のうち完投は8で、完封はたったの2。味方の援護で勝ったようなものです。外国人2人の力がいかに大きかったかがわかります。

※週刊ポスト2014年1月1・10日号

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン