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王貞治氏「今の野球は残念ながらお金の話が先に出るように」

 日本のプロ野球界で不滅の大記録を打ち立てた王貞治氏が、今でも純粋に「野球」と向き合い走り続けているのはなぜか。そこには古き良き日本への思いと、自分を育んでくれた「球界への感謝」の念があった。そんな王氏が球界の現状について語った。

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 我々の世代というのは、鶴岡(一人・元南海監督)さんじゃないけど、お金はグラウンドに落ちていて、頑張って結果を出せば後からついてくるという考えだった。

 今は残念ながら、お金の話が先に出るようになってしまった。これは世の中全体にいえることですね。

 メジャーでも何十億円ももらう選手が出てきたり、そんな情報ばかりが大きく扱われる。生活もあるし、中にはお金優先になってしまう選手がいるのもやむを得ない。

 ただ、子供にとってはあまりいいことじゃないですよね。何か熱中してやっていると、雪だるまではないけれど、ゴロゴロだんだん大きくなってしまう、みたいなほうが長続きする気がするんだけどね。

 野球はね、親や周囲の人に支えられてうまくなっていくんです。やはり感謝の気持ちだけはしっかり持ってもらって、自分がある程度の立場になったなら、今度はお返しするということをしっかりと覚えておいてほしいと思っているんです。

 その意味で、今の選手たちはよくやっていますよ。東日本大震災の支援とかね。だけどもう少し必要なのが、日本の良いところを伝えていくという意識。まァそういうことは、僕みたいに歳を取って、ちょっと暇な人がやればいいですね(笑い)。

●取材・文/永谷脩(スポーツライター)

※週刊ポスト2014年1月1・10日号

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