いずれにせよ、池田氏、籾井氏と2人もNHK会長職でミソをつける結果となった三井物産の元幹部。だが、前出の関氏は「ある意味では昔の物産マンの典型」と話す。
「今でこそ官僚的なイメージがある三井物産ですが、昔の物産マンは破天荒なイメージが強く、社員一人ひとりが自分で新しい仕事を開拓していく野武士精神のある会社でした。元副社長で米国デュポン社の取締役だった渡邊五郎さんも、『オレが侍大将だ』みたいな人ですからね(笑い)。
組織の三菱に対して、人の三井――。自分の意思をはっきり述べて実行する社風はぜひとも次代に受け継ぐべきだと思いますが、民間企業とNHKでは立場が違うのは当然。行き過ぎた言動が物議を醸すことを、もう少しわきまえたほうがいいでしょうね」(関氏)
個性豊かなキャラクターが仇となった今回の一件。NHK会長の職務や権限のあり方も含めて、改めて議論したほうがよさそうだ。