「FA選手は30歳を過ぎての移籍が大半で、ピークを迎えている選手かピークを過ぎた選手になってしまう。そのため、門倉や小林宏のように思うように活躍できず、短期間で終わってしまう選手も少なくない。いっぽうで人的補償の選手たちも、ベテランや中堅が指名されがちなので、在籍期間を比べると、さして変わらない結果になる。
このなかで注目すべきは、2005年に中日に人的補償で入団した小田でしょう。2番手捕手というポジションは目立たないが、かなり重要で、谷繁に休養日を設けられたのも小田がいたからこそ。『正捕手あるところに覇権あり』と言われますが、近年の巨人には実松がいるように、『2番手捕手安定するところに覇権あり』ともいえる」
巨人に在籍した8年を上回り、今年で中日9年目を迎える小田。FA人的補償選手のなかで、もっとも長期間にわたり、移籍球団に在籍する選手である。