世相を浮き彫りにする新聞の“人生相談”コーナーが今、様変わりしている。長寿社会を反映し、70代以上の恋愛相談が増えている。実際、世間にはこうした“悩みごと”が溢れている。本誌が実施した「人生相談アンケート」の中でも実に様々な恋愛エピソードが寄せられた。
企業戦士としてバリバリ働いた男たちも定年後は、有り余る時間ができる。そこで、趣味や近所付き合いの場で出会った異性との関係が始まる。
5年前に妻が他界、1人暮らしの70代元会社役員は、マンション内の住民で結成された高齢世帯を世話する「見回り隊」の中にいる60代の未亡人と男女の仲になったという。
「“野菜を煮たから食べてね”と親切にされるうちに惚れてしまった。関係を持ったのはいいが、それ以来、他の男にも同じことをしているのではないかと嫉妬心が芽生え、彼女が家に来ない日はイライラ、来た日はムラムラするようになった。
近所で他の男性と会話しているのを見るだけでムカついてしまい、こんなにのめり込んだ自分を持て余しています」
ただし、老いらくの恋ならではの問題もある。これまで紹介してきたのは、恋愛相手も同じ高齢世代だが、自分より一回りも二回りも若い相手となると悩みも深刻だ。
気の置けない年寄り仲間の“あるある話”が、「息子の嫁」に発情してしまうというケース。
「同居する息子の嫁に、正直ムラムラしていた。それが最近は、恋心になったように感じている。たまに嫁と2人で昼飯を食べると恥ずかしくて話もできない。物干しに干してある嫁の下着や風呂場の脱いだ下着を見ると、いつか“犯罪”を犯すんじゃないかと自分が怖くなる」(60代元会社員)
まるで官能小説の世界だが、この男性曰く、飲み会で老人仲間が集まると決まって、息子の嫁に対する悶々とした気持ちが話題になるというから、同じ悩みを抱える男は多いのかもしれない。
※週刊ポスト2014年3月21日号