国内

餃子の王将社長銃殺事件 捜査関係者から早々に白旗宣言出る

 古くは3億円事件からグリコ・森永事件、世田谷一家殺人事件など、警察の必死の捜査にも関わらず事件解決に至っていない事件は少なくない。昨年12月に発生した「餃子の王将」社長銃殺事件もその1つだ。

 昨年12月19日の早朝、『餃子の王将』を展開する王将フードサービス社長・大東隆行氏が京都・山科区の本社前で4発の銃弾を浴びて絶命した事件は、日本では珍しい25口径の拳銃が使われ、サイレンサーが装着されていた可能性が高いこと、至近距離から確実に急所を撃ち抜いていることなどからプロによる犯行が疑われている。

「事件が大東社長の殺害を目的にしていたことは明らかです。京都府警は当初、地元の暴力団による犯行説を含め少なくとも3~5つの見立てに沿って捜査を進めていたようですが、目撃情報や遺留品がほとんどないことから早々に捜査は行き詰まりました。ある捜査関係者は事件発生から1週間も経たないうちに『事件がまったく読み解けない』と白旗を上げていました」

 そう話すのは犯罪に詳しい編集者の久田将義氏だ。久田氏は近年の警察の対応力の低下を指摘する。

「これは京都府警だけの問題ではなく、警察全体から『捜査のスキーム』が失われつつあるという実態を示すものだと思います。最近の警察は『事件の裏に潜む真実』よりも、『解決したという実績』を欲しがる。だから、『解決すべき事件』より『解決方法の分かっている事件』に力を入れる傾向が強まっています。

 捜査に対する意識の低下も著しい。以前、繁華街を所轄する警察署の刑事に街頭監視カメラの死角を指摘したら、『それならカメラを増やせばいい』と言われました。本来は警らの強化等で対応すべきなのに、監視カメラに頼ろうとする。これでは警察官の経験を積むことも、捜査の勘を養うこともできません。警察は捜査の原点に立ち返るべきです」

※SAPIO2014年5月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン