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2014.04.27 07:00  女性セブン

経験ゼロの女性が思いだけで実現させた青森初のペット火葬場

 今から12年前、焼却炉を搭載した小型トラックを購入し、青森県で初めて「ペット火葬業」を始めた、ペコたま代表取締役の三浦弥生さん。依頼があればどこにでも駆けつけ、ペットが慣れ親しんだ家や思い出の散歩道など、飼い主の希望する場所で火葬を行う。

 火葬代は、ペットの体重が5kgまでは1万5000円、10kgまでは2万円。トラックの維持費や経費を考えると収益はギリギリだ。だが、

「飼い主のかたがお骨を拾っている姿を見ると、起業してよかったと心底思います」(三浦さん・以下「」内同)。

 三浦さんが、“ペットのお骨を拾える火葬”にこだわるのには理由がある。家族で大切に飼っていた犬と猫を相次いで亡くしたとき、市のペット火葬場ではお骨を拾わせてもらえず、心の中に“しこり”が残ったからだ。

「焼却するだけなんて…ペットも家族だから、ちゃんと送ってあげたかった。もっと納得のいく形はないものかと、図書館で調べまくりました」

 そこで初めて、「移動火葬車」の存在を知り、自分がこんなにつらかったのだから、他の人も同じはず、と「ペット火葬」の起業を決意。だが、その火葬車の用意こそ、開業への最大の壁だったという。

「当時はパソコンも使えず、火葬車をどこで売っているのかもわからない(笑い)。タウンページを開いて探したけれど、該当する業者はゼロ。関東版を取り寄せ、ようやく神奈川に1軒見つけました」

 すぐ連絡を取り、1週間泊まり込みで使い方を学んだ。

 だが、問題は購入費だ。トラックと焼却炉で600万円、その他の準備資金もあわせると700万円はかかるのに、自己資金は200万円しかない。500万円も借金して失敗したらどうしよう…諦めかけた三浦さんを救ったのが、地元の起業塾。

「塾では事業計画書を作り、青森県で1日あたりペットがどのぐらい亡くなっているかを試算しました。月15件依頼がくればローンが払えそうだとわかったら、“できる!”と思えました」

 次なる関門は家族の説得。三浦さんは夫の設計事務所で事務として働いていたが、退職して“借金500万円”を抱えることになる。当然、難色を示されたが根気強く説得。最後は「そんなにやりたいなら」と保証人の判を押してくれた。

 開業後は「青森初のペット火葬」「女性起業家」としてメディアでも多数取り上げられ、多いときは毎日のように依頼がくることも。心配していたトラックのローンも8年で完済。現在は新たに猫カフェ事業も展開し、県内で注目を集めている。

※女性セブン2014年5月8・15日号

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