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2014.05.10 15:59  週刊ポスト

フランス書院文庫 読者の草食化で過度な暴力的作品淘汰傾向

 4月23日に発売されたばかりの神瀬知巳著『ふたり暮らし【義母と甘えん坊な僕】』で、「フランス書院文庫」が通算2000作目に到達した。1985年4月の創刊以来、官能小説のトップランナーとして数多の話題作を世に送り出してきた「フランス書院」。同文庫のカバーは創刊以来、一貫して「黒をバックに美女のイラスト」が定番だ。フランス書院の編集長代行・T氏はいう。

「写真はほとんど使っていません。イラストはヌード画であっても乳首を出さないようにしていますし、むしろ最近は着衣の絵のほうが多いですね。そして、描かれた女性たちは恥ずかしげに、あるいは物憂げにそっと目線を外し、読者を正視しません」

 カバーのテイストは変わらずとも、官能小説に登場する女性は時代と共に変貌を遂げている。

「僕が痺れた『女教師・二十三歳』はまさにバイオレンスであり、力ずくの調教モノでもありました。ところが、近年は読者が草食化しているようで、過度に暴力的な作品は受けません」

 代わって人気なのは、内向的で繊細な男たち。彼らは「なぜ僕の気持ちがわからないんだ!」との思いが余って女を押し倒すものの、相手から「乱暴をしてるけど、本当は寂しいのね」と妙な按配で理解されてしまう。いわば“甘えん坊凌辱”だ。

 もう一方の柱、誘惑モノにも変化が押し寄せている。

「以前は、息子に何度もアタックされ、仕方なく1回だけ身体を許してしまう母というストーリーが人気でした。でも、このところは男を誘う女性に迷いがなくなってきています。引きこもりの息子を、母はまったく否定せずに受け入れてあげる。セックス上手なうえ、母には経済的基盤がありますから、息子はひたすら心地よくママの肉体に溺れていくわけです」

※週刊ポスト2014年5月9・16日号

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