「続・最後から二番目の恋」は、共感への執着を浮き彫りにしています。女はいくつになっても、人に執着する生き物。
一方、「俺のダンディズム」は、モノに執着する男の姿を浮き彫りに。モノと蘊蓄で武装しダンディという理想型を目指す男の執着。
大人の女と男の、欲求の形。その決定的な違いを鮮やかに2つのドラマが示してくれている面白さ。
ただし、「コメディ」という視点から見てみると……圧倒的に「俺のダンディズム」が勝つのではないでしょうか。
銀座という舞台、ダンディ語録、ダンディズム講座から、エンディングにダンディをテーマに書き下ろされた斉藤和義の歌まで。徹底して作り込んでいる。ウソの世界だからこそ細部までリアリティが必要。「くすっ」という大人の笑いもそこから生まれる。
一方、「続・最後から二番目の恋」も何とかコメディータッチに仕立てて軽やかさを出そうとしているようですが、疑問符が。たとえば内田有紀がずっこけて鼻血を出すシーンとか。何だか、安っぽいコントにしか見えない。コメディというよりドタバタ喜劇か。大人のドラマには、大人の笑いが欲しいところです。