1か月後にはブラジルでサッカーW杯が始まるが、日本代表のエンブレムが家紋に由来するのはご存じだろうか。「三本足の烏」は、熊野本大社宮の神紋で、太陽の化身といわれる八咫烏(やたがらす)。神武天皇を大和まで導いたとされ、輝く未来へ導いて欲しいとの願いが込められている。
家紋が由来の身近なデザインといえば、世界のトップブランド、ルイ・ヴィトンを象徴する柄「モノグラム」も、実は日本の家紋がヒントになって誕生した。1867年のパリ万国博覧会で起きたジャポニズムの影響を強く受け、デザインされたのだ。ヨーロッパでは見慣れない家紋からヒントを得た柄は、当時から横行していたコピー商品の対策にも一役買った。
日常の中にも家紋は存在する。500円玉を見ると「桐」が刻まれている。これは皇室紋であり、日本政府の紋でもある。初代総理大臣・伊藤博文の時から使われ、今に至っている。
※週刊ポスト2014年5月23日号